2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13210119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10159189)
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Keywords | 神経科学 / 痴呆 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 老化 |
Research Abstract |
アルツハイマー病を含むタウオパチーと総称される痴呆疾患にはタウ蛋白の封入体形成が認められるが、その分子構成は疾患により変化する。我々はヒト脳で発現する6種類のタウ蛋白アイソフォームについて個別の機能を検討するために蛍光蛋白であるEGFPとの融合蛋白を作成して検討した。 今回用いたタウアイソフォームはN末インサートの効果を除去するためにON3RとON4Rを検討した。COS細胞およびヒト由来神経細胞株であるIMR-32細胞での発現は、10%ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動後の抗タウ抗体および抗GFP抗体を用いたウェスタンブロッティングで検出したところ、融合蛋白である約75kあたりに陽性バンドを認めた。陽性バンドのサイズはタよびGFPの合計した蛋白分子量にほぼ正しく相当しており、ただしくコンストラクトのデザイン通りの蛋白発現をしていることを確認した。 次に、細胞、とくに神経細胞での発現によるタウ蛋白の局在を検討した。IMR-32細胞は、無血清NGF添加条件で、神経突起を伸長させるように分化させた。共焦点レーザー顕微鏡で観察した画像のうち、まず、コントロールとしてEGFPベクターのみを発現させた場合、蛍光蛋白は細胞質に限局して存在しました。ON3Rではこのように神経突起の分枝部や突起先端に限局して点状に分布しました。一方、ON4Rではこのように神経突起に沿って線状に分布しました。 3Rタウと4Rタウの各アイソフォーム毎に、の一回の遺伝子導入で観察した10視野で神経突起に線状及び点状に分布している数をそれぞれ合計したものの比をとりL/S ratioとしました。これを5実験分集計し平均値を統計処理をすると、3Rタウと4RタウとのL/S ratioは有意差を持って4Rタウの方が大きい値を示すことが判明いた。今後、生化学的な活性をも含めた生物学的な意義について検討を進めていく計画である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Pigino G, Pelsman A, Mori H, Busciglio J.: "Presenilin 1 mutations reduce cytoskeletal association,deregulate neurite growth and potentiate neuronal dystrophy and tau phosphorylation"J.Neurosci.. 21(3). 834-842 (2001)
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[Publications] Ishii K, Lippa C, Tomiyama T, et al.: "Distinguishable effects of Presenilin-1 and APP717 mutations on amyloid plaque deposition"Neurobiol.Aging. 22(3). 367-376 (2001)
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[Publications] Takahashi K, Kamiya K, Urase K, et al.: "Caspase-3-deficiency induces hyperplasia of supporting cells and degeneration of sensory cells resulting in the hearing loss"Brain Res. 894(2). 359-367 (2001)
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[Publications] Park I-H, Jung MW, Mori H, Inhee M-J.: "Zinc enhances synthesis of presenilin 1 in mouse primary cortical culture"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 285. 680-688 (2001)
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[Publications] Kametani F, Tanaka K, Usami M, Maruyama K, Mori H.: "Human wild presenilin-1 mimics the effect of the mutant presenilin-1 on the processing of Alzheimer's amyloid precursor protein in PC12D cells"J.Neurol.Sci.. 188(1-2). 27-31 (2001)