2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13210119
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10159189)
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Keywords | 神経科学 / 痴呆 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 老化 |
Research Abstract |
タウ遺伝子の変異によって生じるタウオパチーの主原因はエクソン10のスプライシング異常であるが、その分子機構にはなお不明な点が多い。我々は、ヒトおよびマウスゲノムからエクソン10領域を含むゲノム断片をとりだし、エクソン10のスプライシング反応を検討した。その結果、ヒトおよびマウスのエクソン10の下流と上流におけるイントロン各々3Kbの塩基配列を決定した。われわれはまず、このゲノム断片をエクソントラップ法によるスプライシング反応をRT-PCRによって検討した。ヒト野生型配列をもつコンストラクトでは、イントロン長によってスプライシング効率が大きく変化することを見出した。この領域をタウ全長c DNAに組み込み、mRNAおよびタンパク発現を確認したところ、期待される3/4リピートタウがRT-PCRおよびウェスタンブロットにより確認できた。つぎに、FTDP-17で見られた代表的な変異をこのコンストラクトに導入したところ、期待通りのタウアイソフォーム変化をすることが確認された。Δ280では3リピートタウが増加し、279、284を始めとする多くの変異によって4リピートタウが増加していた。さらにこのコンストラクトはマウス培養ニューロンでも正しいスプライシング反応をじめしたことから、トランスジェニックマウス作製に用いる実験を進めている。一方、マウス野生型ではヒトとはちがった3/4リピートタウの比率が観察された。ヒトとマウスのエクソン10領域の塩基配列を解析した結果、ヒトにはないステム構造がマウスの下流領域のイントロンに予測することができた。この新ステム構造のスプライシングヘの影響を検討した結果Huttonの提唱したステム構造と同様の活性を見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Jorge Busciglio, Alejandra Pelsman, Hiroshi Mori, et al.: "Altered Metabolism of the amyloid precursor protein is associated with mitochondrial dysfunction in Down's syndrome"Neuron. 33(5). 677-688 (2002)
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[Publications] Kazuhiro Ishii, William E.Klunk, Hiroshi Mori, et al.: "Chrysamine G and its derivative reduce amyloid β-induced neurotoxicity in mice"Neurosci.Lett.. 333. 5-8 (2002)
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[Publications] Yuasa, S., Nakajima, M., Hiroshi Mori, et al.: "mpaired cell cycle control of neuronal precursor cells in the neocortical primordium of presenilin-1-deficient mice"J.Neurosci Res.. 70. 501-513 (2002)
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[Publications] Mori, H., Tomiyama, T., Maeda, N., et al.: "Lack of amyloid plaque formation in the central nervous system of a patient with Werner syndrome"Neuropathology. (in press). (2003)
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[Publications] Hiroshi Takuma, Shigeki Arawaka, Hiroshi Mori: "Isoforms changes of tau protein during development in various species"Dev.Brain Res.. (in press). (2003)