2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内発現抗体を用いたCAGリピート病の発症解明と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
13210131
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石黒 啓司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (20211039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 晃司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究員 (60278306)
西井 一宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究員 (50278305)
澤田 浩秀 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (30247663)
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Keywords | ハンチントン病 / CAGリピート病 / 細胞内発現抗体 / 遺伝子治療 / ポリグルタミン病 |
Research Abstract |
CAGリピート病は神経変性疾患に特有の遺伝子変異であり、その翻訳された産物には伸長ポリグルタミン鎖が共通の細胞内異常蛋白質として存在する・ハンチントン病モデルマウスを解析した結果、脳の領域特異的かつ週齢依存的に神経細胞の核内に凝集体が形成され、神経病理学的異常として観察を行ってきた。この異常な状態を解消する方法の一つとして細胞内発現抗体(イントラボディー)を用いた試みがなされている。本研究では、ハンチントン病の原因遺伝子転写翻訳産物であるハンチンチン蛋白質に対する抗体を取得することを目的としている。この抗体を細胞内で抗原抗体反応ができるように1本鎖として作らせるために、人工抗体ライブラリー(ラクダ抗体ライブラリー)から取得した。用いた抗原(ハンチンチン)は、神経変性疾患で観察されるアポトーシス関連蛋白分解酵素であるカスパーゼ1及び3の切断領域とハンチンチンN末端のリンコンビナント蛋白質の2種類を精製した。カスパーゼ切断部位領域に対する抗体遺伝子を検討したところ、7種類の1本鎖抗体遺伝子を得た。これらの抗体は、抗原結合活性に強弱があり、5種類の抗体は比較的強い反応性を示した。一方、ハンチンチンN末端は疎水性アミノ酸が多く、抗原は発現後大腸菌の不溶性画分に移行する。高濃度尿素存在下でインテイン結合蛋白質として溶出し、精製を行った。これらの抗原を用いて、ハンチンチンN末端(18アミノ酸)を抗原としてヒトFv抗体ライブラリーからの抗体遺伝子単離を開始した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroshi Ishiguro: "Age-dependent and tissue-specific GAG repeat instability occurs in mouse knock-in for a mutant Huntington's disease gene"Journal of Neuroscience Research. 65. 289-297 (2001)
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[Publications] 石黒 啓司: "ハンチントン病モデル動物による神経変性疾患研究の現状"脳と神経. 53. 829-837 (2001)
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[Publications] Tsuyoshi Yoshinaka: "Identification and characterization of novel mouse and human ADAM33s with potential metalloprotease activity"Gene. 282. 227-236 (2002)
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[Publications] Masanori Asakura: "Cardiac hypertrophy is inhibited by antagonism of ADAM12 processing of HB-EGF: Metalloproteinase inhibitors as a new therapy"Nature Medicine. 8. 35-40 (2002)
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[Publications] Naohiro Ichino: "Increase of transcriptional levels of egr-1 and nur77 genes due to both nicotine treatment and withdrawal in pheochromocytoma cells"Journal of Neural Transmission. (in-press).