2002 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリング因子とヌクレオポリン融合がん遺伝子の細胞がん化能
Project/Area Number |
13214034
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永田 恭介 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40180492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 韶彦 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40283428)
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Keywords | 白血病 / 染色体転座 / siRNA / 核膜孔 / クロマチンリモデリング / 分子シャペロン / ドミナントネガティブ変異体 / がん |
Research Abstract |
本研究の目的は、新たながん化機構の解明を念頭に、白血病に関連したクロマチンリモデリング因子とヌクレオポリンの融合遺伝子であるTAF(Template Activating Factor)-I/SET-CANとDEK-CANによる細胞がん化機構を明らかにすることにある。TAF-I/SET-CANの導入により形質転換された細胞でのTAF-I/SET-CAN発現をsiRNAによりノックダウンすると、足場非依存的細胞増殖能は失われたが低血清培地での細胞増殖能の一部は残っていた。従って、TAF-I/SET-CANはこの2つの形質転換能へ独立な経路で関与していると考えられた。DEK-CANはTAF-I/SET-CANと同様に本来のCAN機能の少なくとも一部を持ちながらCANとは異なる細胞内局在を示した。これによって、正常細胞ではみられない核一細胞質間の物質輸送の異常が起きていることが明らかとなった。モデルレポーター遺伝子を用いた解析から、DEK-CANはDEKの持つクロマチン制御活性を喪失している可能性が示された。またこのアッセイ系ではDEK-CANはDEKに対してドミナントネガティブ変異体様の活性を示したことから、この活性もDEK-CANの細胞の形質転換能に関与している可能性が考えられた。新たに酸性分子シャペロンとして同定したTAF-IIIは、ある種のAPL(t(5;17))、未分化大細胞型リンパ腫(t(2;5))、AMLt((3;5))の転座遺伝子領域に見いだされる遺伝子の産物であるB23/NucleophosminとRNAからなるRNP複合体としてクロマチン制御活性を発現することが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Momose F, Naito T, Yano K, Sugimoto S, Morikawa Y, Nagata K.: "Identification of Hsp90 as a stimulatory host factor involved in influenza virus RNA synthesis"Journal of Biological Chemistry. 277. 45306-45314 (2002)
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[Publications] Okuwaki M, Tsujimoto M, Nagata K.: "The RNA binding activity of a ribosome biogenesis factor, nucleophosmin/B23, is modulated by phosphorylation with a cell cycle-dependent kinase and by association with its subtype"Molecular Biology of the Cell. 19. 2016-2030 (2002)
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[Publications] Mibayashi M, Nakade K, Nagata K.: "Promoted cell death of cells expressing human MxA by influenza virus infection"Microbiology and Immunology. 46. 29-36 (2002)
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[Publications] Nagata, K.: "Molecular Anatomy of Cellular Systems"ENDO I., KUDO T., OSADA H., SHIBATA H., and YAMAGUCHI I.. 231 (2002)