2004 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリング因子とヌクレオポリン融合がん遺伝子の細胞がん化能
Project/Area Number |
13214034
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Research Institution | Universly of Tsukuba |
Principal Investigator |
永田 恭介 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40180492)
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Keywords | クロマチン / 白血病 / 染色体転座 / ヒストンシャペロン / 核膜孔 / siRNA / hCRM1 / trxG |
Research Abstract |
本研究の目的は、白血病に関連したクロマチンリモデリング因子とヌクレオポリンの融合遺伝子であるTAF (Template Activating Factor) -I/SET-CANとDEK-CANによる細胞がん化機構を明らかにすることにある。TAF-I/SET-CANは、核外輸送のカーゴ運搬因子であるhCRM1の細胞内局在を変化させる。これにともない、NES (nuclear export signal)を持つタンパク質の1つである転写因子NF-κBが核に蓄積することが明らかとなった。レポーターアッセイにより、核に蓄積したNF-κBは活性化型には変換されていないことが判明した。TAF-I/SET-CANによる形質転換細胞をsiRNA法により処理したノックダウン細胞では、がん形質の一部だけがキャンセルされていた。加えて、マイクロアレイ法により発現ノックダウン細胞における遺伝子発現プロファイルを調べた結果、ノックダウン細胞で発現が変化した遺伝子と発現が残存している遺伝子などを分類することができた。TAF-I/SETが遺伝子発現状態の維持機構に関わるtrxGの一員であるMLLと相互作用していることが示され、TAF-I/SETはMLLと協調的にMLL標的遺伝子の発現制御に関わっていることが明らかとなった。TAF-I/SETと同族のヒストンシャペロンであるTAF-IIIの機能実体がB23/ヌクレオフォスミンとRNAの複合体であることが判明した。TAF-IIIの機能阻害実験から、TAF-IIIが細胞内でクロマチン制御を通じて、rRNAの生合成、ひいては細胞の増殖速度の制御に関与している可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Nuclear MxA proteins form a complex with influenza virus NP and inhibit the transcription of the engineered influenza virus genome.2004
Author(s)
Kadir, T., Mibayashi, M., Sugiyama, K., Saito, S., Numajiri, A., Nagata, K
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Journal Title
Nucleic Acids Research 32
Pages: 643-652
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