2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13214035
|
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
笠原 正典 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (30241318)
|
Keywords | LRC / マウス / NKレセプター / KIR |
Research Abstract |
1.KIR遺伝子をもたないと考えられてきたマウスのゲノムに、ブラストサーチでヒトのKIRと最も高い相似性を示す免疫グロブリンドメイン2個を有する遺伝子をみいだした。高い配列相似性をもったESTクローンが存在することから、X染色体上に位置する本遺伝子はタンパク質をコードしている可能性が高いが、発現組織の違いからNKレセプターとして働いている可能性は低いことが示唆された。 2.Ly94遺伝子を含むBACクローンに、Tnnt1(slow skeletal muscle troponin T)遺伝子、Tnni3(cardiac troponin I)遺伝子、Mbs85(myosin binding subunit 85)遺伝子、Flj20258遺伝子、Flj20510遺伝子、Gp6(platelet glycoprotein VI)遺伝子をみいだした。Tnni3,Tnnt1,Mbs85遺伝子はこの順に並んで存在し、また、Flj20510遺伝子とGp6遺伝子は並んで存在することが判った。ヒトでは、LY94遺伝子に隣接してFCAR(IgA Fc receptor)遺伝子が存在するが、本遺伝子と相同と考えられる配列はBACクローン中にみいだされなかった。Pir遺伝子を含むBAC contig中には少なくとも、3個のPirb遺伝子が存在した。これらの遺伝子は既知のPirb遺伝子と同様なエクソン・イントロン構造をもっていた。既知のPirb遺伝子とは異なった免疫グロブリン様配列をもった配列が少なくともさらに2個検出された。これが、偽遺伝子であるのか、新たなPir遺伝子であるのかは不明である。 3.LRCの位置するヒト19q13.4領域とFc receptor遺伝子群の存在するヒト1q21-q23領域がパラロガスな遺伝領域であり、これらの領域は大規模な染色体重複によって誕生したと推定されることをみいだした。
|
Research Products
(15 results)
-
[Publications] Yawata, M.: "Nucleotide sequence analysis of the 〜35-kb region containing interferon-γ-inducible mouse proteasome activator genes"Immunogenetics. 53. 119-129 (2001)
-
[Publications] Murata, S.: "Immunoproteasome assembly and antigen presentation in mice lacking both PA28α and PA28β"EMBO J.. 20. 5898-5907 (2001)
-
[Publications] Cohen, D.J.: "Evidence that human epididymal protein ARP plays a role in gamete fusion through complementary sites on the surface of the human egg"Biol.Reprod. 65. 1000-1005 (2001)
-
[Publications] Flajnik, M.F.: "Comparative genomics of the MHC: Glimpses into the evolution of the adaptive immune system"Immunity. 15. 351-362 (2001)
-
[Publications] Nagata, T: "The leukocyte common antigen (CD45) of the Pacific hagfish, Eptatretus stoutii : implications for the primordial function of CD45"Immunogenetics. 54(印刷中). (2002)
-
[Publications] Liu, Y: "Xenopus class II A genes : studies of genetics, polymorphism, and expression"Dev.Comp.Immunol.. 26(印刷中). (2002)
-
[Publications] Kasahara, M.: "Polyploid origin of the human genome. In : D.N.Cooper (ed.) : Encyclopedia of the Human Genome"Nature Publishing Group(印刷中). (2002)
-
[Publications] 笠原正典: "特異的免疫応答.-抗原認識と免疫の発現-.菊地浩吉, 上出利光編:医科免疫学 改訂第5版"南江堂,東京. 25 (2001)
-
[Publications] 笠原正典(分担執筆): "Fc receptor neonatal.大沢利昭, 奥田研爾, 小山次郎編:免疫学辞典 第2版"東京化学同人,東京. 1 (2001)
-
[Publications] 笠原正典: "ゲノム重複と脊椎動物の進化.小原雄治, 榊 佳之編:ポストシークエンスのゲノム科学第4巻.ゲノムから個体へ.生命システムの理解にむけて."中山書店,東京. 13 (2001)
-
[Publications] 笠原正典: "ヒトのゲノムは本来8倍体だったのか."蛋白質 核酸 酵素 臨時増刊号「ゲノムサイエンスの新たなる挑戦」,東京. 3 (2001)
-
[Publications] 笠原正典: "主要組織適合遺伝子複合体のゲノム構造の謎を解く"ゲノムが語る自己非自己識別システムの歴史.医学のあゆみ198. 6 (2001)
-
[Publications] 笠原正典:(分担執筆): "免疫,ほか12項目.北川高嗣, 須藤 修, 西垣 通, 濱田純一, 吉見俊哉, 米本昌平編:情報学事典"弘文堂,東京(印刷中). (2002)
-
[Publications] 笠原正典:(分担執筆): "主要組織適合遺伝子複合体,ほか15項目.伊藤正男, 井村裕夫, 高久史麿編:医学大辞典"医学書院,東京(印刷中). (2002)
-
[Publications] 笠原正典:(分担執筆): "MHCクラスI分子.南山堂医学大辞典 改訂19版"南山堂,東京(印刷中). (2002)