2004 Fiscal Year Annual Research Report
c-kit遺伝子改変マウスを用いたGISTの病態研究
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13214058
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Research Institution | HyogoColfege of Medicine |
Principal Investigator |
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
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Keywords | GIST / c-kit遺伝子 / germline / 機能獲得性突然変異 / 家族性多発性GIST / マウスモデル / ノックインマウス / イマチニブ |
Research Abstract |
我々は、ヒト消化管筋層に発生するGISTにc-kit遺伝子が高率に発現し、その多くにc-kit遺伝子の傍細胞膜領域の機能獲得性突然変異が存在することを世界に先駆けて見つけた。現在では、散発性GIST症例の約90%にはc-kit遺伝子の傍細胞膜領域・細胞外領域・チロシンキナーゼ領域I・チロシンキナーゼ領域IIのいずれかの部位に機能獲得性突然変異が見られることがわかっている。一方、germlineでのc-kit遺伝子突然変異は家族性多発性GISTを発生させる。これまでに傍細胞膜領域とチロシンキナーゼ領域,チロシンキナーゼ領域IIにおける遺伝子異常が見つかっている。 germlineのc-kit遺伝子突然変異により発生するヒトの家族性多発性GIST (Gastrointestinal stromal tumor)のマウスモデルとしてノックインマウスの作成を行った。ヒトの家族性多発性GIST家系でみられるc-kit遺伝子のチロシンキナーゼ領域II (exon 17)に突然変異を持つノックインキメラマウスを得、C57BL6との交配によりF1ヘテロマウスを得た。現在、選択マーカーとして導入されているneo耐性遺伝子を取り除くべく、Creマウスとの交配を進めている。近い将来にその検索にはいることができる。これに関連して、GISTを多発するもう一つ病態であるvon Recklinghausen病(neurofibromatosis type 1)において、GIST組織にc-kit遺伝子の機能獲得性突然変異が全く見られないことを示した。さらにGISTの増殖に関連して、分子標的薬イマチニブに耐性となった再増殖GIST病巣におけるc-kit遺伝子突然変異の検討を行い、原発巣にみられるc-kit遺伝子の他に、イマチニブ耐性に関与していると考えられる新たなc-kit遺伝子の突然変異が加わっていることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)