2001 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞のM期染色体分配制御異常発生機構に関する研究
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13214070
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
達家 雅明 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (50216991)
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Keywords | M期 / 有糸分裂 / 染色体 / H3ヒストン / カイネース / AIM-1 / INCENP / Survivin |
Research Abstract |
M期進行制御の鍵カイネース群AIM/auroraファミリーの主要カイネースであるAIM-1は、我々が独自に発見した動物細胞におけるM期セリン・スレオニン型Aカイネースのサブファミリーで、そのメンバーの主要なカイネースであり、酵母Ipl1の機能的なホモローグであると考えられている。動物細胞で少なくとも3種類存在するこのクラスのカイネースの内、AIM-1はがん細胞で高発現が広く認められており、この高発現が、発がん過程での染色体量衡異常招来の要であろうと我々は考えている。すでに、我々は、AIM-1の過剰発現が、細胞の染色体量衡変化を招来すること、また、その結果として、細胞がん化を誘導し、AIM-1の過剰発現と相関して、がんの悪性化形質が増強されることを見出している。そこで、AIM-1過剰発現がM期進行制御に異常をもたらす機構を解析するために、その主要な基質であるH3ヒストンのリン酸化状態を解析した。その結果、M期特異的なH3ヒストン(Ser10)の過剰リン酸化がAIM-1発現量に依存して、強制発現細胞株ならびにがん細胞で認められた。また、Ser10をGlu10に置換した恒常的なリン酸化型H3ヒストンS10E変異体を強制発現したところ、AIM-1過剰発現で観察されるような染色体分配の異常が誘導された。すなわち、AIM-1過剰発現は、H3ヒストンのアンバランスなリン酸化を誘起し、染色体分配の異常を招来するものと考えられた。また、AIM-1のH3ヒストンへのターゲッティングには、INCENPのAIM-1によるリン酸化が必要であることも、同時に見出している。また、更には、SurvivinがAIM-1/INCENPの機能に深くかかわっていることも見出しつつあり、動物細胞のM期染色体分配と細胞質分離双方の進行制御機構の要となる分子群であることが明らかとなりつつある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Murata-Hori, M.: "Probing the Dynamics and Functions of Aurora B Kinase in Living Cells during Mitosis and Cytokinesis"Molec. Biol. Cell. (印刷中). (2002)
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[Publications] Tatsuka, M.: "Anticarcinogenic Effect and Enhancement of Metastatic Potential of BALB/c 3T3 Cells by Ginsenoside Rh(2)"Jpn. J. Cancer Res.. 92. 1184-1189 (2001)
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[Publications] Katayama, H.: "Interaction and feedback regulation between STK15/BTAK/Aurora-A kinase and protein phosphatase 1 through mitotic cell division cycle"J. Biol. Chem.. 276. 46219-46224 (2001)
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[Publications] Kawasaki, A: "Down-regulation of an AIM-1 kinase couples with megakaryocytic endomitosis of human hematopoietic cells"J. Cell Biol.. 152. 275-288 (2001)
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[Publications] Ota, T.: "Functional suppression of integrin beta4-mediated adhesion caused by in vivo sequential selection for cancer cell intravasation"Anticancer Res.. 21. 205-211 (2001)