2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13214107
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
常岡 誠 久留米大学, 医学部, 助教授 (50197745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (90231307)
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
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Keywords | myc / オートファジー / Myc標的遺伝子 / がん化 |
Research Abstract |
がん遺伝子mycはヒトがんに広く関係している。細胞がん化、アポトーシス誘導、などを引き起こすことが知られているが、我々は新たにmycがオートファジーを誘導することを発見した。オートファジーとはバルクの蛋白質分解機構の一つであるが、誘導メカニズムは不明である。Myc変異体を使った研究などから、アポトーシス誘導能、細胞がん化能とは別にオートファジー誘導のためのMyc機能が存在していることが示唆された。また、がん化に伴ってMycオートファジー誘導能が抑制されることが観察された。これらの観察および、オートファジーが細胞死の一因となることが報告されていることから、オートファジー誘導はMycがん化のセーフガードとして働いている可能性が考えられる。本研究ではさらにMycによりコントロールされる新規Myc標的遺伝子を同定し、特に以下の3つの遺伝子TAFII105(既知の基本的転写因子だが、発表論文は少ない)、Meu4(新規遺伝子)、Mina53(新規遺伝子)について詳しく解析した。その結果、TAFII105、Meu4はオートファジー誘導に特異的に関与している可能性が考えられた。一方Mina53の発現を抑制すると細胞増殖がほぼ完全に抑制され、さらにオートファジー誘導による細胞死様の形態が観察された。このことから、予想に反して、Mina53はオートファジー抑制因子である可能性が考えられる。しかし、細胞増殖時にMina53発現が上昇すること、細胞周期抑制試薬がオートファジーを誘導することが今回観察されたことから、Mina53が細胞増殖に必要な因子である可能性も考えられる。つまり、Mina53発現抑制により細胞周期がとまり結果的にオートファジーが誘導されたというものである。オートファジーががん抑制に働く可能性があることから、上記遺伝子は、がんの診断、治療に応用できる可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koda Y.: "Heterozygosity for two novel null alleles of the KEL gene cause the Kell-null phenotype in a Japanese woman"British Journal of Haematology. 116. 1-6 (2002)
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[Publications] Wakioka T.: "Spred is a Sprouty-related suppressor of Ras signalling"Nature. 412. 647-651 (2001)
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[Publications] Umata T.: "A dual signaling cascade that regulates the ectodomain shedding of HB-EGF"Journal of Biological Chemistry. 276(32). 30475-30482 (2001)