2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動の調節に関わる新規細胞骨格関連因子の機能について
Project/Area Number |
13216042
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
佐藤 真 福井医科大学, 医学部, 教授 (10222019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 秀司 福井医科大学, 医学部, 助手 (10303372)
永野 隆 福井医科大学, 医学部, 助手 (70272854)
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Keywords | 細胞骨格 / アクチン / カルパイン / フィラミン / アクチン結合蛋白質 / 細胞移動 / 葉状仮足 |
Research Abstract |
我々は、細胞の繊維状アクチンの動態制御に関わり、細胞内に発現させることによりlamellipodia(葉状仮足)の形成を大きく変化させる新規分子S-FILIPとL-FILIPをラットにて同定した。なおL-FILIPはS-FILIPに加えN端側に247アミノ酸が加わった分子である。FILIPは、アクチンフィラメント結合分子であるフィラミンA(フィラミン1)にS-、L-FILIPに共通のC端側で結合する分子であり、昨年度までにFILIPによりフィラミンA(フィラミン1)の分解が促進され、その結果細胞内の繊維状アクチンが低形成となり、lamellipodiaの形成低下、更には細胞移動度の低下にいたる一連の過程を明らかとした。 本年度は、ヒトS-,L-FILIPオルソログを同定し、繊維状アクチンが低形成になるようすを定量化すると共に、フィラミンAのFILIP結合領域を同定し、FILIPによりフィラミンAが分解される過程でカルシウム依存性の蛋白分解酵素カルパインが関わること、さらにはFILIPによるフィラミンAの分解促進作用は、アクチンが結合したフィラミンAにて主に生ずることを明らかとした。特にカルパインの関与については、その阻害剤であるカルペプチン及び細胞内カルシウムをキレートすることにより、FILIPによるフィラミンの分解が阻害され、いわゆるプロテアソームの阻害剤によって、この分解は影響を受けず、さらには、エンドゾーム系のマーカー分子であるEEA1やLAMP-1とフィラミン、FILIPは共存しないことを併せて確認した。 以上に加えて、L-FILIP結合分子候補を数種同定し検討を行った。更に、FILIPのノックアウト動物の作製を進めた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takamura, Y.: "JDD1, a novel member of DnaJ family, expressed in the germinal zone of the rat brain"Biochem Biophys Res Commun. 285(2). 387-392 (2001)
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[Publications] Suzuki, F.: "Distribution of alpha-i adrenoceptor subtypes in RNA and protein in rabbit eyes"Br. J. Pharmacol.. 135. 600-608 (2002)
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[Publications] Takamura, Y.: "Increased expression of p21^<WAF1/CIP1> in the lens epithelium of rat sugar cataract"Exp. Eye Res.. (印刷中).