2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質、核内でのSTAT3転写因子活性制御シグナルの解明とがん抑制法開発
Project/Area Number |
13216090
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中嶋 弘一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00227787)
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Keywords | STAT3 / 蛋白複合体 / 転写制御 / クロマチン免疫沈降法 / RNAポリメラーゼ |
Research Abstract |
シグナルを直接核に伝達するJAK/STAT伝達系は、細胞増殖分化、がん化に重要である。STAT3は、種々のリンパ球系のがん化だけでなく、v-srcなどによる繊維芽細胞のがん化にも関与する。STAT3のY705リン酸化に加え、gp130受容体シグナルの場合、低濃度IL-6刺激のもとpYXXQモチーフ由来伝達系によりSTAT3 S727がリン酸化を受けること、このリン酸化がSTAT3転写活性の増強に重要であることを示してきた。実際GAL4-STAT3融合蛋白の系においても、S727リン酸化によりGAL4融合蛋白の転写活性が5-10倍程度増加することを見出した。STAT3作用機序の理解のため、DNAに結合させた活性型全長STAT3に結合する核内蛋白群同定を試みたところ、p300、p/CIP、Mediator複合体がSTAT3に結合することを見い出した。クロマチン免疫沈降法により、IL-6刺激後junBプロモーターにSTAT3、p300、pol IIが結合すること、pol II CTDのSer2、Ser5のリン酸化が新たに出現することを確認した。低濃度H7がjunB mRNA発現を抑制するのに一致して、H7はpol II Ser2のリン酸化のみを効果的に阻害することから、H7の核内標的は、pol II CTDキナーゼであると結論し、標的キナーゼを同定しつつある。さらにSTAT3と複合体を作る多数の分子群を質量分析計により同定できつつあり、今後より精緻な解析の基盤および伝達系制御法を確立していけると思われる。またpYXXQ由来シグナル伝達系はSTAT3を標的とするほか、核内p160やp60などをリン酸化すること、前者はH7感受性キナーゼ系により、後者はp38キナーゼ系によりリン酸化を受けることが判明した。今後pYXXQ由来の複数の伝達系がいかに転写を制御しているのかも明らかにしていく必要があろう。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Abe, K.: "The YXXQ motif in gp 130 is crucial for STAT3 phosphorylation at Ser727 through an H7-sensitive kinase pathway"Oncogene. 20・27. 3464-3474 (2001)
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[Publications] Abe, K: "No involvement of Erk/MAP kinases in IL-6-induced proliferation of a B-cell hybridoma cell line"Osaka City Med.J.. 47・1. 63-72 (2001)
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[Publications] Narimatsu, M.: "Tissue-specific autoregulation of the stat3 gene and its role in interleukin 6-induced survival signals in T cells"Mol.Cell.Biol.. 21・19. 6615-6625 (2001)
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[Publications] Kirito K: "Identification of the human erythropoietin receptor region required for Stat1 and Stat3 activation"Blood. 99・1. 102-110 (2002)
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[Publications] Nielsen M: "Spontaneous interleukin-5 production in cutaneous T-cell lymphoma lines is mediated by constitutively activated Stat3"Blood. 99・3. 973-977 (2002)