2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動およびがん化におけるRho-mDia-Src系の機能と作用機構の解明
Project/Area Number |
13216094
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Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
富永 知子 国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (00280587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 和久 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (40192679)
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Keywords | Rho / mDia / がん化 / 浸潤・転移 / 細胞接着 / Rhoキナーゼ / Src |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質Rhoファミリーは、細胞接着の時・空間的制御を介してがん細胞の浸潤、転移に関与していると考えられる。Rhoの標的蛋白質であるRhoキナーゼとmDiaは協調してアクチン細胞骨格の構築を調節するが、研究代表者はRhoおよびRhoキナーゼがインテグリンの活性化を介して細胞接着を制御することを明らかにするとともに、一昨年、新たにRho-mDia-Srcキナーゼ系を見出し、この経路が細胞質分裂の制御、転写因子の活性に必須であることを報告した。そこで、この経路がRhoの下流で、細胞接着・運動の時・空間的制御に関与するとともに、細胞のがん化にも関与している可能性を考えている。本年度はまず、新たに見いだしたmDia結合蛋白質のDIP(Diaphanous Interacting Protein)についてその細胞内機能を検討した。DIPはmDiaのみならずGrb2とも結合すること、また、Srcとも細胞接着斑において共存して互いに活性化しあうことを見いだしている。さらに、DIPがmDiaによるstress fiber formation(SFF)に必要で、急速なSFFがmDia-DIP経路によりRhoキナーゼと協調して起こるものと推測される。現在はmDia-DIP-Grb2からRasの下流への情報伝達を細胞のがん化能等を指標に検討するとともに、細胞運動機構の解明を目指し、mDia-Src系とDIPとの関連性を細胞の浸潤能等を指標に検討している。今後、これらの結果より、細胞接着、細胞運動の機能をより明確にし、細胞のがん化、がん細胞の浸潤転移の機構を明らかにすることを目指している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Satoh, S., Tominaga, T.: "mDia interacting protein acts downstream of Rho-mDia and modifies Src activation and stress fiber formation"J. Biol. Chem.. 276. 39290-39294 (2001)
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[Publications] Numazaki M., Tominaga T., Toyooka H., Tominaga M.: "Direct phosphorylation of capsaicin receptor VR1 by PKCε and identification of two target serine residues"J. Biol. Chem. 277. 13375-13378 (2002)