2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13218049
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大熊 勝治 金沢大学, 薬学部, 教授 (10119563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 哲夫 金沢大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40194170)
横山 謙 金沢大学, 薬学部, 助手 (70271377)
荒井 國三 金沢大学, 薬学部, 講師 (50126562)
畑中 保丸 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (30111181)
染井 正徳 金沢大学, 薬学部, 教授 (20110546)
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Keywords | PC12細胞 / V-ATPase / 動脈硬化 / プロトンポンプ / バフィロマイシン / コンカナマイシン / プロジギオシン / フォト・アフィニティー |
Research Abstract |
我々はこれまで、増殖・癌化・分化・細胞死に対するV-ATPase阻害剤の寄与について、選択的阻害剤を用いて検討してきた。その結果、V-ATPaseの選択的阻害剤が各種細胞の増殖を阻害したり、分化や細胞死(アポトーシス)を誘導することを、PC12細胞やM1細胞を用いて明らかにして来た。更に、プロトン輸送のみを特異的に阻害するプロジギオシンが様々なプロトンポンプを脱共役するH^+/CΓシンポーターであること、しかし細胞に投与した場合は主として酸性穎粒に作用するらしいこと、V-ATPase阻害剤と同様に分化・細胞死誘導作用を示すことを明らかにして来た。本研究においては,(1)バフィロマイシン類やプロジギオシン類のプロトン輸送阻害機構、(2)それらの増殖阻害、分化・細胞死誘導機構、(3)V-ATPase阻害剤の癌細胞に対する選択毒性と機構を明らかにし、(4)構造活性相関から、癌細胞の選択的増殖阻害に必須な構造を明らかし、理想的制癌剤の有機合成開発を目指した。 分化誘導・増殖阻害・細胞死誘導の各作用を、PC12細胞を中心に検討し、V-ATPase阻害活性及びpHとの相関を明らかにした。特にV-ATPase阻害剤として知られている薬物について検討したところ、分化誘導・増殖阻害・細胞死誘導の各作用とV-ATPase阻害活性及びpH上昇作用との間に相関の見られない場合があることが判明した。新規合成体に対しても上記作業を行ったが、H^+脱共役作用、増殖阻害・細胞死誘導を示すものはあったが、分化・誘導作用を示すものは殆ど見られなかった。その他種々の理由から、阻害剤は細胞内酸性顆粒のV-ATPase自体に作用するよりは、むしろ細胞膜上の阻害剤受容体に作用して分化細胞死誘導を引き起こしている可能性が高くなった。そこで、コンカナマイシン[バフィロマイシン類似体]のビオチン誘導体を作成し、細胞内に入らないストレプタビジン・ビーズと結合させ、PC12細胞に作用させたところ、分化誘導とアポトーシス誘導とが観察された。コンカナマイシンが細胞膜に作用していることを示す初めての例である。ジアジリン誘導体を用いて検討したところ、コンカナマイシンは細胞膜上のV-ATPase以外の物質とも作用することが明かとなった(投稿準備中)。また、高度高熱菌より高純度に精製したVoV1-ATPaseを用いて、遺伝子変異手法等を用いて、プロトン輸送機構を明かとした。既に他の目的で合成した化合物中(インドール化合物やビピロール誘導体)にH+脱共役作用のあること、しかしH^+/CΓ共輸送活性は弱いことが判明した。16kDaproteolipidの高発現の普遍性について、他の癌腫を用いて分子生物・生化学・免疫組織化学的に検討したところ、ヒト大腸癌細胞の他、ヒト動脈硬化モデル細胞にもその傾向があることが判明した。さらに、ヒト動脈硬化モデル細胞やHaLa細胞では、特にVo部分の形成部分が細胞増殖に特に関係していることが明かとなった(投稿準備中)。また、ヌードマウスに移植したヒト癌由来細胞の増殖抑制を指標として検討した結果、各種V-ATPase阻害剤が制癌効果を有することが明かとなった(投稿準備中)。しかし、構造-活性相関から制癌作用に必要な構造を明らかにするところまでは出来ていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ken Yokoyama: "Extended longevity of C. elegans by knocking in extra copies of hsp7OF, a homologue of mot-2 (mortalin)/mthsp7O/Grp75"FEBS Lett.. (in press). (2002)
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[Publications] Kunizo Arai: "A Simple Estimation of Peroxisornal Degradation with Green Fluorescent Protein -an application for cell cycle analysis"FEBS Lett.. 507. 181-186 (2001)
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[Publications] 石崎純子: "塩基性薬物の脂溶性に基づく細胞内分布機構に関する研究"YAKUGAKU ZASSHI. 121. 557-565 (2001)