2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍選択的増幅型ハイブリッドウイルスベクターの開発とその制御機構の解明
Project/Area Number |
13218116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岡田 尚已 自治医科大学, 医学部, 助手 (00326828)
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Keywords | がん / 遺伝子治療 / ハイブリッドウイルスベクター / アデノウイルス / レトロウイルス / アデノ随伴ウイルス / Cre-loxP / 幹細胞 |
Research Abstract |
より強力な自殺遺伝子治療の開発を期待して以下の検討を行った。 (1)アデノ-レトロハイブリッドウイルスを構築し、腫瘍内レトロベクター産生システムによる治療効果を検討した。さらに、動物モデルにおける効果を確認するためにベクターやドキシサイクリンの投与方法について至適条件の検討を行っている。 (2)正常組織に対して安全性が高いAAVを腫瘍細胞内において増幅し、優れた遺伝子導入効率を有するシステムを検討した。腫瘍細胞におけるp53の機能異常に依存するだけでは腫瘍特異性が完全ではないことが臨床治験において報告されており、さらに高い腫瘍特異性を獲得するために構造蛋白質を腫瘍特異的に発現させる工夫を検討している。 (3)AAVを効率良く調整するためAAV作製細胞株の開発を試みた。Rep蛋白質の発現を調節可能としたAAV作製細胞株はAAVベクターを効率良く調整するために有用であることが予想されるが、AAV作製前駆細胞が継代につれて徐々に増殖が遅くなることが問題である。アンチセンスの発現状態でもRep蛋白質の発現を完全には制御できていない可能性があり、長期間におよび効率良く制御するシステムの開発が今後の課題として残る。 (4)将来における幹細胞の癌治療への応用の前段階として、アデノウイルスと細胞との接着機構を応用したアデノウイルスベクターの感染標的アダプター分子を開発した。血管新生抑制遺伝子等を用いた応用に向けて、動物モデルにおける幹細胞の腫瘍内での動態をさらに詳細に解析する必要がある。現在、動物モデルを用いて以上の基盤技術の検討を行っている。 以上の様に、遺伝子導入方法、治療遺伝子および治療方法の各段階における基盤技術の検討を行うことにより、臨床応用に向けた治療システムの開発が期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okada, T., et.al.: "AAV mediated gene transfer for gene therapy of ischemia-induced neuronal death"Method.Enzymol.. 346. 378-393 (2002)
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[Publications] Okada, T., et.al.: "Development and characterization of an antisense-mediated regulation system for adeno-associated virus vector production with introduction of Cre recombinase"Biochem.Biophys.Res.Comm.. 288. 62-68 (2001)
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[Publications] Okada, T., et.al.: "AV.TK-mediated killing of subcutaneous tumors in situ results in effective immunization against established secondary intracranial tumor deposits"Gene Ther.. 8. 1315-1322 (2001)
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[Publications] Muramatsu, M., et.al.: "Reversible Integration of the Dominant Negative Retinoid Receptor Gene for ex Vivo Expansion of Hematopoietic Stem/Progenitor Cells"Biochem.Biophys.Res.Comm.. 285. 891-896 (2001)
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[Publications] Kanazawa, T., et.al.: "Gamma-rays enhance rAAV-mediated transgene expression and cytocidal effect of AAV-HSVtk/ganciclovir on cancer cells"Cancer Gene Ther.. 8. 99-106 (2001)
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[Publications] Wang L., et.al.: "Delivery of AAV-GDNF prevents nigral neurodegeneration and promotes functional recovery in a rat model of Parkinson's disease"Gene Ther.. (in press).