2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13218117
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和賀 一雄 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00285917)
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50337391)
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Keywords | inv(12)(p13q13) / TEL / PTPRR / TEL / 白血病 / 転写因子 / ドミナント・ネガティブ / STAT3 / UT7 / GM細胞 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病に観察されるinv(12)(p13q13)より3'-RACE法を用いて新規キメラ遺伝子TEL/PTPRRをクローニングした。得られたキメラcDNAはTEL遺伝子の第4エクソンにPTPRR遺伝子の第7エクソンが融合していた。PTPRRはTEL転座の相手遺伝子としては初めての受容体型チロシン・ホスファターゼ遺伝子であった。TEL/PTPRR遺伝子から転写されるmRNAには10種類のisoformが存在し、短縮型TELとTEL/PTPRRキメラに翻訳されると考えられた。野生型TELは核内に存在するが、短縮型TELおよびTEL/PTPRRキメラは細胞質内に存在していた。これらの異常分子は野生型TELとヘテロダイマーを形成することにより、その核移行を抑制すると推測された。短縮型TELとTEL/PTPRRキメラには野生型TELに認められるコリプレッサーmSin3Aとの結合能が保存されていた。また、短縮型TELとTEL/PTPRRキメラはETS結合部位に対するDNA結合能および転写抑制能を示さなかったが、野生型TELの転写抑制能をドミナントに阻害した。TEL/PTPRRキメラにはボスファターゼ活性は認められなかった。TEL/PTPRRはGM-CSF依存性に増殖するヒト白血病細胞株UT7/GMをGM-CSF非存在下でも増殖させた。短縮型TELには同様の機能は存在しなかった。さらに、短縮型TELあるいはTEL/PTPRRキメラを発現させたUT7/GM細胞はGM-CSF除去後もSIAT3のリン酸化状態を維持していた。inv(12)型白血病ではがん抑制因子TELが機能的に失活し、STAT3シグナルが恒常的に活性化していると考えられた。
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Research Products
(9 results)