2001 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア・テロメレースの腫瘍生物学的意義と抗テロメレース薬の探索
Project/Area Number |
13218124
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山田 尚 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (20130213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真理子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (40237433)
岩瀬 さつき 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30185699)
山田 順子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (50147352)
関川 哲明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90277046)
中田 秀二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30246425)
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Keywords | テロメア / テロメレース / アポトーシス / DNA損傷 / 遺伝子発現 / DNAチップ / 抗生物質 |
Research Abstract |
(1)慢性骨髄性白血病の急性転化に由来するK562細胞にテロメレースの触媒活性を有するhTERTを導入したK562/hTERTを作成し、腫瘍生物学的な検討を加えた。K562/hTERTは親株に比べ3倍以上のテロメア長を有していた。また、hTERTの転写はc-Mycに依存しているので、K562にc-Mycを導入したK562/c-Mycに関しても検討した。etoposide,Ara-C,hydroxyurea,血清除去培地、X線照射にて各株細胞の感受性を検討した。K562/hTERTは親株やK562/c-Mycに比べて、血清除去、X線照射、etoposideによるアポトーシスの誘導に対しては強い抵抗性を示したがAra-C,hydroxyureaに対しては親株やK562/c-Mycと同等の感受性を示した。これらの結果より,テロメレース活性の増強、もしくはテロメア長の延長が細胞障害、とりわけ二重鎖DNA障害に伴うアポトーシスの抵抗性に関連を有することが示唆された。(2)K562/hTERTの2株と親株を用いてDNA arrayによる12000遺伝子の発現パターンを網羅的に解析した。K562/hTERTで共通に2倍以上の発現増加を認める遺伝子は15であった。さらに、各株細胞において全てに発現が認められ、且つ親株がK562/hTERT細胞より2倍以上の発現を認めた遺伝子は32であった。これらの遺伝子のうち、一部は染色体上での位置が判明していた。しかし、それらの多くは、テロメア近傍の遺伝子ではなかった。(3)細菌培養上清よりテロメレースの阻害物質の探索を行った。TRAP法を一部改変しDNAシーケンサーを用いて、抑制率を数値化して表せる系で実験を行った。HIV逆転写酵素の阻害活性を有する検体を含め、現在までに4000種類の培養上清を検討したがテロメレース活性を抑制できる検体は認められていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Akiyama M, 他。: "Telomerase Overexpression in K562 leukemia cells protects against apoptosis by serum deprivation and double-stranded DNA break inducing agents, but not against DNA synthesis inhibitors"Cancer Lett.. 178. 187-197 (2002)
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[Publications] Kawano T, 他。: "Lack of BCL10 mRNA mutation in lymphoid malignancies"Anticancer Res.. (In press).
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[Publications] Tsuboi N, 他。: "Ganglioside as an endogenous growth suppressor for glomerular mesangial cells"Kidney Int.. 60(4). 1378-1385 (2001)