2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍の骨破壊性骨転移のインターロイキン18による治療
Project/Area Number |
13218130
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10319858)
岩崎 輝夫 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40322581)
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20227408)
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Keywords | インターロイキン18 / 骨破壊 / 転移 / 肺癌 / 破骨細胞 / インターロイキン12 |
Research Abstract |
1.肺癌細胞の骨破壊性転移巣での骨破壊に及ぼすIL-18の効果 肺癌細胞をヌードマウスの左心室内に注入する事により骨破壊性転移を生じさせ、その後1L-18を投与しIL-18の骨破壊、腫瘍増殖、破骨細胞数に及ぼす影響を調べた。その結果、(1)IL48は肺癌細胞の骨破壊を抑制する(2)IL-18は、骨転移巣の肺癌細胞のmitotic index, apoptotic indexに影響を及ぼさない(3)IL-18は、ヌードマウスでは破骨細胞数を減少させない事が明らかになった。このことから、IL-18は、肺癌(骨破壊性骨転移の頻度は高い)の骨破壊を抑制する事が明らかになり更にこの骨破壊抑制は、IL-18の破骨細胞活性抑制作用による事が示唆された。 2.IL-18の破骨細胞活性に及ぼす作用とその機構 上記のように、IL-18には、破骨細胞活性を抑制する効果があると推測されるので、新生仔マウス骨より、破骨細胞を採取し象牙のスライス上で培養し、骨融解に及ぼすIL-18の効果を検討した。その結果、破骨細胞活性の抑制には、IL-18単独では、1μg/ml以上の高濃度が必要であったが、IL-12(10ng/ml)の共存下では、IL-18は10ng/mlの濃度で破骨細胞活性を約90%抑制した。この抑制は、破骨細胞の細胞死の誘導や破骨細胞分化の抑制によるものではなく、活性の抑制であった。IL-18とIL-12によりinterferon-γ(INF-γ)が増加するが、INF-γの添加のみでは破骨細胞活性を抑制できなかった。しかしながら、IFN-γ中和抗体はJL-12とIL-18の作用を完全に抑制した。このことから、IFN-γと他の因子が協調して破骨細胞活性を抑制すると推測された。in vivoでは、IL-18は内因性のIL-12等と協調して破骨細胞活性を抑制すると推測される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamada N., Terada N., et al.: "Interleukin-18 and Interleukin-12 synergistically inhibit osteoclastic bone-resorbing activity"Bone. (in press). (2002)
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[Publications] Iwasaki T., Terada N., et al.: "Interleukin-18 inhibits osteolytic bone metastasis by human lung cancer cells possibly through suppression of osteoclastic bone-resorption in nude mouse"Journal of Immunotherapy. (in press). (2002)