2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13224039
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
太田 和夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80333491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 哲郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10198484)
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Keywords | Groverのアルゴリズム / ファイル探索問題 / 共通鍵暗号 / 鍵の総当り攻撃 / 中間一致攻攻撃 / NMR計算機 / 秘密鍵暗号 |
Research Abstract |
平成13年度の主な成果は以下の通り. 1.鍵の総当り攻撃のファイル探索問題への帰着 公開された暗号アルゴリズムE,平分m_0および暗号文c_0が与えられたとき,c_0=E(k_0,m_0)の関係をみたす秘密鍵k_0を見つける既知平文攻撃のシナリオでの鍵の総当り攻撃を,ファイル探索問題に帰着させる変換(攻撃法)を提案した.その変換が従来の結果(Groverのアルゴリズムを素朴に適用する場合)よりも有利となる条件を洗い出した. マシン実験を用いて案際に使用されている暗号系において,その条件が成立つかを調べたところ,成立しないことが判明した.よって,ここで提案した変換では安全性の心配はないことを確認した. 2.中間一致攻撃型の暗号解読の実現可能性について Chiらが提案しているファイル探索問題の高速化技法(http://xxx.lanl.gov/archive/quant-ph/9707011)の妥当性を評価して,彼等の主張に誤り(存在を仮定しているオラクル関数に問題点)があることを発見した.よって,中間一致攻撃型の暗号解読は,現在のところ,それほどの脅威ではないと思われる. 3.NMR計算機に対する共通鍵暗号の安全性 NMR計算機等を一般化した,Bulk Quantum Turing Machine (BQTM)による数え上げ(counting problem)技法にを応用した新しい共通鍵解読アルゴリズムを提案した. 提案アルゴリズムでは,ブール関数F^<(d)>_rを導入することで,暗号アルゴリズムEを実現するオラクルの呼び出し回数とNMR計算機の観測の精度との間にトレードオフが成立つことを示した.妥当な仮定のもとで計算の複雑度を予想し,小規模な実験を行ったところ,従来の結果をしのぐ可能性があること分かった. 現在,このアプローチの有効性を調べるために,マシン実験を継続している.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazuo Ohta: "Another Exhaustive Key Search of Common-Key Cryptosystems"ERATO Workshop on Quantum Information Science 2001. 35 (2001)
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[Publications] Kazuo Ohta: "The Security of Common Key Cryptosystems against Quantum Algorithms"2002年暗号と情報セキュリティシンポジウム. 235-240 (2002)
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[Publications] 太田 和夫: "量子アルゴリズムに対する共通鍵暗与の安全性"信学技報 電子情報通信学会コンピュテーション研究資料(COMP). 101-630. 1-7 (2002)