2001 Fiscal Year Annual Research Report
情報技術導入におけるビジネスシステム構築プロセスの理論化
Project/Area Number |
13224085
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
矢田 勝俊 関西大学, 商学部, 助教授 (00298811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 直樹 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40145826)
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Keywords | 情報技術 / ビジネスシステム / データマイニング / システムアーキテクチャ / 経営戦略 / 消費者行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新しい情報技術の導入によって再構築されるビジネスシステムのプロセスを理論化し、日本企業の情報インフラの効果的な設計、生産性の向上に貢献することである。既存研究の多くは、企業の情報化投資と生産性には直接的な因果関係がないことを指摘している。競争環境の激化は情報技術の更なる有効利用を企業に突きつけているが、多くの企業が新しい情報技術に対応した新しいビジネスシステムを構築できずにいる。その原因は日本企業の文化にあったシステムアーキテクチャの不在とその導入プロセスが不明瞭な点である。 本研究では、我々が開発したシステムアーキテクチャを企業に導入し、新しいビジネスシステムを構築していくプロセスを理論化する。情報技術の特性と組織との関係、競争戦略における情報技術の位置付けなどを明らかにし、情報技術をより効果的に生産性に結びつける方法論を提示している。 我々は消費者行動に関する分析システムに研究の焦点を当てている。現在、日本の流通システムでは多くのデータや情報が孤立しており、十分な消費者行動に関する分析ができない状態である。また近年のデータ蓄積は巨大化する一方で、通常の(基幹系の)システム技術では対応は難しい。そこで、大規模データベース解析に特化した我々のシステムアーキテクチャを導入し、それぞれのデータを結びつけることで、ビジネスチャンスを発見しようと試みている。 本研究の特色の第一は、技術開発のみならず、その実践、効果検証、理論化という社会科学的アプローチを同時に行い、情報技術の影響を総合的に捉える文理融合の研究であること。第二に、研究成果が実践され、その有用性が証明されること。第三に、日本企業の情報インフラに、大学の最先端の研究蓄積を包含した1つの選択肢を提供することによって、社会へ貢献しようとする点をあげることができる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤直樹, 羽室行信, 矢田勝俊: "新規顧客からのロイヤルカスタマーの早期発見"ESTRELA. No.89. 10-17 (2001)
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[Publications] 矢田勝俊, 羽室行信, 加藤直樹: "経営データからの知識発見"国民経済雑誌. 184巻1号. 19-33 (2001)
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[Publications] 羽室行信, 加藤直樹, 矢田勝俊: "顧客データを用いた効果的クーポン配布手法"経営戦略のフロンティア. 96-106 (2001)