2001 Fiscal Year Annual Research Report
仕様/環境の変化に対応するソフトウェアのためのエージェント指向開発方法論の構築
Project/Area Number |
13224089
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
本位田 真一 国立情報学研究所, 知能システム研究系, 教授 (70332153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 正 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (20245608)
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Keywords | エージェント / 開発方法論 / セキュリティポリシ / 進化型アーキテクチャ / 情報システム / 競合解消 / 義務論理 / ペトリネット |
Research Abstract |
平成13年度は,エージェント指向開発方法論の構築,検討用事例の策定,規範/ポリシのための記述言語,ポリシ競合解消方式とその選択手法の研究を行った. エージェント指向開発方法論は、従来のオブジェクト指向方法論を踏まえ,問題解決の中でのロールとインタラクションに着目した方法論である.本研究計画では別途,研究開発を進めている進化型エージェントアーキテクチャを対象としている.進化型エージェントアーキテクチャは,(a)対象システムを構成し,なおかつ自律的に「変化」を捉えて,それに必要な機能変化を実現する対象エージェント群と,(b)組織のポリシ(たとえばセキュリティポリシ)や規範に従い,その全体の整合性を取る監視/調整系エージェント群から構成される.これらの構築に必要な「変化」の認識や「組織のもつポリシや規範」の抽出,「ポリシ間の競合解消の方法」の決定は,従来の開発方法論にはない点である. 検討用事例としては「セキュリティを強化したエージェント指向情報システム」と「無線通信によって通信しあう移動ロボットの協調作業における分権」を取り上げた.課題事例として移動ロボット協調作業の分限を取り上げることは,従来から取り上げられている企業内情報システムだけでなく,情報家電やFAのオープンネットワーク化なども踏まえて,新たな適用先を検討した結果である.次年度以降の研究活動に備え,ロボットの取り扱いに関して予備実験を行い理解を深めた. 規範/ポリシ記述言語の研究としては,XMLベースの汎用ポリシ記述言語の構築を行った.この言語は,従来の多くの言語が,セキュリティ,ネットワーク管理,QoS等を個別に対象としているのに対し,対象を限定することのない汎用の記述を特徴とする.そのために,セキュリティドメインのオントロジ記述との組合せによって,ドメイン固有のポリシ記述を行う. ポリシ間の競合解消法の研究としては,義務論理(様相論理)の検証系を作成し,記述論理と統合する拡張を目指して,実験を重ねている.また,悪意のない情報漏洩の可能性解析に関してペトリネットの利用について調査研究を行った.これらの調査研究ならびに実験は平成14年度も継続し,ツール化する予定である.
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