2001 Fiscal Year Annual Research Report
プリオンの増殖を規定する正常型-異常型プリオン蛋白質の分子間相互作用に関する研究
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13226004
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
堀内 基広 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (30219216)
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Keywords | プリオン / スクレイピー / 伝達性海綿状脳症 / 構造転換 / PrPSc / 合成ペプチド / モノクロナール抗体 |
Research Abstract |
病原性プリオン蛋白質(PrPSc)と正常型プリオン蛋白質(PrPC)が直接会合することが、PrPScの増殖の第一段階である。そこで、PrPCとPrPScの結合に関与するPrP分子上のドメインを調べることを目的として、各種PrP合成ペプチドがPrPC-PrPSc間の相互作用を阻害するか否かについて検討した。PrPCがPrPSc存在下でPrPSc様のProteinase K(PK)抵抗性分子(PrP-res)に転換する試験管内転換反応で、PrP合成ペプチドaa117-141、aa166-179、aa200-223はPrPCがPrP-resに転換するのを阻害した。これらのPrPペプチドはPrPCと結合することにより、PrPCとPrPScの結合を阻害することが判明した。結合阻害活性を示すPrPペプチドは反応条件下ではβシート構造をとる傾向があることから、PrPペプチドがPrPScのPrPCへの結合ドメインを模倣することでPrPCと結合し、PrPC上のPrPSc結合ドメインを占拠する結果、PrPCとPrPScの結合を阻害する可能性が示唆された。 PrPCとPrPScの分子間相互作用を解析する道具として、PrP分子に対するモノクローナル抗体(mAb)パネルを作製した。計34のmAbは認識するエピトープから9群に分類された。グループI〜VIはPrP分子上のリニアエピトープを認識する抗体、グル-プVII、VIIIはPrP分子上の構造エピトープを認識する抗体であった。また、グループIXはPrPSc特異的エピトープを認識する抗体である可能性が強く示唆された。aa59-89のリニアエピトープを認識するmAb、aa143-151を認識するmAb、およびaa1555-231領域内の構造エピトープを認識するmAbはプリオン感染細胞におけるPrPScの合成を阻害した。これらの抗体は細胞膜上に発現するPrPCと強く反応することから、抗体が細胞膜上のPrPCと結合することで正常なPrPC代謝経路が影響を受けるために、PrPSc合成の基質となるPrPCの供給が阻害された結果であると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamamoto, M, et al.: "Glycidol Degrades Scrapie Mouse Prion Protein"J.Vet.Med.Sci.. 63・9. 983-990 (2001)
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[Publications] 品川森一: "プリオン病の免疫学的検出法"生活衛生. 45・5. 259-269 (2001)
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[Publications] 池田徹也: "牛海綿状脳症に関する検査概要と今後の対応"食品衛生研究. 52・1. 33-42 (2001)
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[Publications] Horiuchi, M. et al.: "Inhibition of interaction and interconversions of prion protein isoforms by peptide fragments from the C-terminal folded domain"J.Biol.Chem.. 276. 15489-15497 (2001)
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[Publications] 堀内 基広: "動物のプリオン病"ウイスル. 51. 145-150 (2001)