2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13226089
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柳 雄介 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40182365)
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Keywords | 麻疹ウイルス / レセプター / 動物モデル |
Research Abstract |
麻疹ウイルスレセプターSLAMは免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜蛋白で、V、C2の2つのドメインを持っている。われわれは先にVドメインがレセプター機能に必要十分であることを示した。麻疹ウイルスH蛋白とレセプターSLAMの結合をさらに詳細に調べるために、SLAM Vドメイン内のキメラ分子の作製および部位特異的変異導入を行なった。その結果、61番目のヒスチジンおよびその前後の数アミノ酸残基がレセプターの機能に重要であることを明らかにした。これらのアミノ酸をヒト型に変えるとマウスSLAMは麻疹ウイルスレセプターとして機能するようになった。逆に、これらのアミノ酸をマウス型に置換するとヒトSLAMはもはや麻疹ウイルスレセプターとして働かなくなった。現在、この部位が直接H蛋白との結合に関与しているか検討を進めている。 緑色蛍光色素を発現する組換え麻疹ウイルスを作製し、種々の細胞における麻疹ウイルスの細胞侵入を定量的に解析した。その結果、従来知られているSLAMやCD46のようなレセプターを発現していない細胞においても100分の1から1000分の1の効率でウイルス感染が起こることを明らかにし、SLAM非発現細胞における麻疹ウイルス感染に一つの説明を与えた。 麻疹ウイルス感染の動物モデルとしてトランスジェニックマウスの作製を行なった。免疫グロブリン遺伝子のエンハンサー、プロモーターの下流にSLAMのcDNAをつないだコンストラクトを卵細胞に導入してトランスジェニックマウスを作製した。トランスジーンが導入されたfounderが3系統得られたので、それらを繁殖させ、SLAMの発現や麻疹ウイルスに対する感染性を現在検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tanaka K, Minagawa H, Xie MF, Yanagi Y.: "The measles virus hemagglutinin downregulates the cellular receptor SLAM(CD150)"Archives of Virology. 147(1). 195-203 (2002)
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[Publications] Vincent S, Tigaud I, Schneider H, Buccholz C, Yanagi Y, Gerlier D: "Restriction of measles virus RNA synthesis by a mouse host cell line : trans-complementation by polymerase components or a human cellular factor(s)"Journal of Virology. 76(12). 6121-6130 (2002)
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[Publications] Tatsuo H, Yanagi Y.: "The morbillivirus receptor SLAM(CD150)"Microbiology and Immunology. 46(3). 135-142 (2002)
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[Publications] Hashimoto K, Yanagi Y et al.: "SLAM(CD150)-independent measles virus entry as revealed by recombinant virus expressing green fluorescent protein"Journal of Virology. 76(13). 6743-6749 (2002)
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[Publications] Yanagi Y, Ono N, Tastuo H, Hashimoto K, Minagawa H.: "Measles virus receptor SLAM(CD150)"Virology. 299. 155-161 (2002)