2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13226098
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片峰 茂 長崎大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40161062)
|
Keywords | プリオン病 / プリオン蛋白 / プリオン類似蛋白 / 遺伝子改変マウス / 培養神経細胞 / プリオン株 |
Research Abstract |
(1)PrPLP/Dplによるプリオン病の病態修飾の可能性の検討:PrPとの相同性から、PrPLP/Dplの神経細胞における発現がプリオン病におけるPrPScの蓄積あるいは病態に影響を与える可能性があり、遺伝子改変マウスを用いて検討した。先ず、神経細胞でPrPLP/Dplを異所性に発現するマウス(Ngsk-Prnp0/+)にプリオン(Fukuoka-1株)を脳内に接種し、発症までの潜伏期、病理変化、PrPSc蓄積を解析し、PrPを同等レベルに発現するがPrPLP/Dplは発現しないマウス(Zrch-Prnp0/+)と比較検討した。両者の潜伏期の平均は各々282±23及び286±27日と有意差を認めず、病理学的にも同様の部位(大脳皮質と海馬)に同レベルの海綿状変性とグリオーシスが検出された。また蓄積したPrPSc量にも差はなく、糖鎖付加パターンも同様であった。即ち、PrPLP/Dplはプリオン病マウスモデルにおいては、その病態を正にも負にも修飾しないと結論された。 (2)培養神経細胞プリオン感染モデルによるプリオン株の機序の解析:マウス脳で継代された生物学的個性(発症までの潜伏期、症状、病理変化)の異なる3プリオン株(Fukuoka-1,22L, Chandler)を2種の培養細胞株(1C11,GT1-7)に感染・増殖させ、培養細胞中でも株の個性が維持されるか否かを、ddyマウス脳に感染細胞抽出液を接種することにより検討した。その結果、潜伏期、症状、病理変化の全ての指標で株の個性は培養細胞中でも維持され、株の個性は宿主因子ではなく病原体に規定されることが明らかとなった。一方、電気泳動上の移動度や糖鎖付加パターンを指標とした蓄積PrPScの立体構造は宿主因子に大きく影響されることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Lehmann S: "Ex vivo transmission of mouse-adapted prion strains to N2a and GT1-7 cell lines"Alzheimer's Disease : Advances in Etiology, Pathogenesis and Therapeutics. 679-686 (2001)
-
[Publications] Atarashi, R: "Abnormal activation of glial cells in the brains of prion protein-deficient mice ectopically expressing prion protein-like protein, PrPLP/Dpl"Molecular Medicine. 7(12). 803-809 (2001)