2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13301015
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
篠田 知和基 広島市立大学, 国際学部, 教授 (00022260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 顕徳 花園大学, 文学部, 教授 (10239155)
山本 節 静岡大学, 人文学部, 教授 (60024048)
吉田 敦彦 学習院大学, 文学部, 教授 (20054322)
松村 一男 和光大学, 表現学部, 教授 (70183952)
目崎 茂和 南山大学, 総合政策学部, 教授 (80101187)
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Keywords | 龍宮 / インド洋 / 沖縄 / 瀬戸内海 / 地中海 / 住吉信仰 / 厳島 / 金毘羅信仰 |
Research Abstract |
七月-九月にかけて、篠田、松村、水野、山本吉田がそれぞれフランス、イタリア、ギリシャ、北欧へおもむき、調査および情報交換、シンポジウムでの報告などをおこなった。丸山は沖縄へ長期調査に赴いた。 九月には名古屋で比較神話学シンポジウムを開催、グルノーブルのワルテル、ヴァモール、シュネのほか、ソルボンヌのトマセなどをむかえ、国内からは内藤正敏、鎌田東二、山本ひろ子、廣田律子などの参加を得て「鬼」のテーマの東西の比較をした。そこでは海より来る鬼の形象がとくに注目された。 その後、十月には、篠田が別経費(大学校費)でインド洋のレユニオン島へおもむき、シンポジウムに参加、島内の庶民信仰の実態を調査した。 一月には水野を除く全員で、沖縄に調査に赴き、沖縄国際大学の民俗調査グループと情報交換をし、シンポジウムを開いた。篠田は『龍宮』神話について、目崎は沖縄と伊勢に共通して見られる「海のおおわらじ」の祭礼と伝承について、松村はロビンソン物語の孤島のテーマ、山本は浦島について、吉田はギリシャの海の神話について発表、ワルテルはヨーロッパの海の神話を総括した。 また、最後に目崎がミクロネシア調査におもむき、松村は京都の2月の田植え祭りを調査した。 この間、世界の海洋神話および海洋文化について文献調査および共同討議によって問題点をほりおこし、日本では瀬戸内海の神話を主としてとりあげること、そこでは厳島信仰、金毘羅信仰、住吉信仰を宗像伝承や、「平家物語」などとの関連をたどりながら調べること、地中海では、ギリシャのアルゴー船神話やオデュセイアのほか、エジプト、オリエント、小アジアの神話を調べることが確認され、そのほか、インド洋の調査の必要性も確認された。 インド洋についてはレユニオン大学の研究チームとも接触して手がかりをつかんだが、ペルシャ湾に近いあたりではイランの「緑の島」伝承も注目された。そして、今後、この方面をさぐるために、インド洋圏文化をしらべている鈴木正崇、重松伸司などの協力ももとめることになり、鈴木とは十月の「サルタヒコフォーラム」で情報交換をした。このフォーラムに招聘したエジプト学のトロネッケル・ストラスブール大学教授、ギリシャ考古学のレヴェック教授とは、ともに伊勢二見の興玉神社の調査などをした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 篠田知和基: "ガリアの森の神話"神話・象徴・文学. 1. 116-148 (2001)
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[Publications] 吉田敦彦: "沖縄と世界の海の神話"沖国大ブックレット. 9. 1-15 (2002)
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[Publications] 吉田敦彦: "ギリシャ神話の絶世の美女ヘレネと太陽"神話・象徴・文学. 1. 9-32 (2001)
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[Publications] 丸山顕徳: "英雄伝説の現代-オヤケ赤蜂の伝説-"神話・象徴・文学. 1. 157-170 (2001)
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[Publications] 丸山顕徳: "沖縄の竜の話"アジア遊学. 79-87 (2001)
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[Publications] Yoshida Atsuhiko: "Vieux de La mer en Grece et au Japon"IRIS. 21. 59-65 (2001)
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[Publications] 篠田知和基ほか: "サルタヒコの旅"創元社. 295 (2001)