2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本前近代社会における下級官人の研究―真継家を中心として―
Project/Area Number |
13301016
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲葉 伸道 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70135276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古尾谷 知浩 名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (70280609)
池内 敏 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (90240861)
羽賀 祥二 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (30127120)
秋山 晶則 名古屋大学, 附属図書館研究開発室, 助手 (40293691)
篠宮 雄二 名古屋大学, 文学研究科, 講師 (60293677)
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Keywords | 真継家 / 平田家 / 壬生家 / 地下官人 / 鋳物師 / 下橋家 |
Research Abstract |
平成15年度は昨年度に引き続き、(1)真継家文書の翻刻、(2)下級官人に関する史料調査・蒐集、(3)研究会の開催、以上三点について研究を進めた。以下にその概略を記す。 (1)真継家文書の翻刻 享保10年から16年の日次記、慶応3年の日次記の翻刻作業、および、前年度までに翻刻された原稿の校訂作業を始めた。校訂した史料は文久2年日次記、元禄13年から宝永2年までの御用日記、宝永5年の日次記、正徳5年の公役雑録、寛延2年から宝暦3年までの日次記、士族比長取扱留である。 (2)下級官人に関する史料調査・蒐集 宮内庁書陵部所蔵の壬生家関係の史料で刊本で見ることができない中世史料を調査し、写真版を購入した。主な史料は「雅久卿記」「四巻之日記」等である。国立歴史民俗博物館所蔵の正倉院文書と兼仲卿記・守光卿記を写真版で購入した。いずれも古代・中世の官人を研究する基礎史料である。また、下橋敬長『幕末の宮廷』で著名な京都府立総合資料館所蔵の下橋家文書の写真版を購入した。昨年度重点的に蒐集した平田家文書については、早稲田大学にその一部が所蔵されていることから、中世の日記を中心に概要を調査した。その一部については来年度の予算で写真を購入する予定である。 (3)研究会の開催 今年度は研究会を充実することに力点を置いた。研究会の日付と報告者は以下のようである。(1)2003年7月18日、篠宮雄二「近世における真継家による鋳物師編成と鋳物師職人-研究史上の課題」、(2)9月19日、池内敏「鳥取藩領の鋳物師と真継家の支配」、(3)11月15日、松田敬之「京都府立総合資料館所蔵の公家関係史料リスト作成に向けて」、西村慎太郎「近世地下官人の知行所と知行所支配」、(4)2004年3月5日、福家聡子「近世中期の地下官人」。本年度は以上の研究会のほかに、研究分担者それぞれが分担部分について小研究会を組織した。羽賀祥二を中心として京都で幕末維新史研究会を、池内敏を中心として近世真継家研究会を、稲葉伸道・青山幹哉を中心として壬生文書を中心とする中世下級官人研究会を組織し、勉強会を始めた。
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