2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13301020
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本村 凌二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40147880)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雄祐 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60237443)
池上 俊一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70159606)
大貫 隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138818)
高山 博 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90226936)
桜井 万里子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011329)
|
Keywords | 地中海世界 / 古代 / 中世 / 社会史 / 識字率 / 初等教育 / 人口動態 / 社会変動 |
Research Abstract |
初年度であるために、まず必要な史料と文献の整理と収集につとめることにした。まず時代や地域に応じて史料の在り方が異なり、また各国語ごとに文献検索の手続きが異なることから、研究代表者および分担者の指示のもとにコンピューター入カの補助作業を精力的に推進し、データベース・文献目録を作成した。 それとともに、4回にわたって研究会を開催し、そのなかで前近代社会においては階層や身分に従って読み書き能力にいかなる差異が見られるかについて、各研究者の意見を出し合うことにした。史料上に読み書き能力の形跡を読みとることは困難をきわめるが不可能なことではないとの見通しを確認した。そのために、古代史のコルビエ教授(パリ社会科学高等研究院)および中世史のモンタナーリ教授(ボローニャ大学)の助言を仰いだ。 主として印刷術が普及していない段階を扱うことから、現地における生の史料に接することが重要であるとの認識を深め、数名は現地調査につとめることになった。近年はデジタルカメラによって史料の精巧な取り込みが可能なことから、できるかぎり史料を網羅的に入手すべく努力した。しかしながら、史料の保存を重視する立場から必ずしもすベての許可を得たわけではなく、そのための交渉を必要とする分野も少なからず残されている。それにもかかわらず、本村、大貫、中村らの準備段階からの作業が一応の方向性を示唆する成果として挙げられており、初年度としては十分な実績をあげたものと判断している。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 本村凌二: "ローマ人の読み書き能力"宮下志朗・丹治愛[編]『書物の言語態』(シリーズ言語態3). 31-50 (2001)
-
[Publications] 中村雄祐: "途上国開発におけるメディア-調査者、住民による状況把握に向けて"宮下志朗・丹治愛[編]『書物の言語態』(シリーズ言語態3). 85-107 (2001)
-
[Publications] 大貫隆: "Le monde comme matrice. Aspect sexuel de la nature et ascsisme"Apocrypha. 11. 123-145 (2001)
-
[Publications] 桜井万里子: "Studies on the hekatostai inscriptions (Rationes Centesimarum)"KODAI : Journal of Ancient History. 10. 1-15 (2001)
-
[Publications] 周藤芳幸: "Amphora stamps"Akoris : Preliminary Report 2000. 17-21 (2001)
-
[Publications] 島田誠: "北の辺境に生きるローマ人"学習院大学文学部史学科[編]『歴史遊学-史料を読む』. 219-236 (2001)
-
[Publications] 大貫隆ほか(共編著): "グノーシス 陰の精神史"岩波書店. 374 (2001)