2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13301020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本村 凌二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40147880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雄祐 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60237443)
池上 俊一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70159606)
大貫 隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138818)
高山 博 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90226936)
桜井 万里子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011329)
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Keywords | 地中海世界 / 古代 / 中世 / 社会史 / 識字率 / 初等教育 / 人口動態 / 社会変動 |
Research Abstract |
本年度は、史料・文献の収集を補充しながら、それらを整理し、それぞれにおいて分析する作業が始まった。史料のなかの特殊な用語については、索引およびコンコルダンスなどから機械的に引き出す作業があり、それらには補助者に従事してもらった。これらの作業によって、必要な事例のほとんどが収集され、それらを分析する作業が中心になった。 それらの分析の成果は、計8回にわたる研究会において、前近代社会における諸言語ごとの情報伝達機能と読み書き能力の普及度の差異が具体的に検討された。それとともに社会変容の指標をいかなる側面に求めるかが多様な観点から議論された。さらに、地中海世界の公用語であるギリシア語、ラテン語、アラビア語とともに、土着の諸言語の地理的分布を詳細に考慮することになった。そのためには、とくに宗教上の言語・図像表記に注目する必要があり、地中海世界の宗教史の碩学ジョン・ノース教授(ロンドン大学)を招き、その助言を仰いだ。 これらの分析と議論の成果は、ひとまず東京大学教養学部の総合課目のなかで「地中海世界における読み書き能力--古代・中世編」として計13回にわたって共同研究者全員が交互に講義を担当する形で暫定的に公表した。高度な内容を平易に説明することによって、来年度における研究成果公刊の準備が整った。それらをふまえて、来年度は国際シンポジウムを開催し、より多くの研究者の学識を仰ぐことになる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 本村 凌二: "東方世界とローマ帝国"『文明の道3 海と陸のシルクロード』NHK出版. 126-144 (2003)
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[Publications] 本村 凌二: "読み書き能力と思考力との相関で問う学力低下問題"週刊「ダイヤモンド」. 91-30. 122-123 (2003)
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[Publications] Hasegawa, T: "Baby arithmetic : one object plus one tone"Cognition91 (Kobayashi, T Hiraki, K Mugitani, R). B23-B34 (2004)
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[Publications] 桜井 万里子: "ヘロドトスとトウキュディデス-歴史叙述の誕生"川島重成、高田康成編『ムーサよ、語れ 古代ギリシア文学への招待』. 226-244 (2003)
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[Publications] Takayama, H: "Kingdom and States in Medieval France"State and Empire in British History : Proceeding of the Fourth Anglo-Japanese Conference of Historians 2003 (Tokyo, Japan). 27-36 (2003)
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[Publications] 周藤 芳幸: "初期ヘレニズム時代エジプトにおける存地社会の変容と農民"歴史学研究. 781. 147-152 (2003)
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[Publications] 大貫 隆: "イエスという経験"岩波書店. 288 (2003)