2002 Fiscal Year Annual Research Report
能テキストの網羅的調査・系統分類と『謡曲大成』の作成
Project/Area Number |
13301023
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹本 幹夫 早稲田大学, 文学部, 教授 (90138181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 きよし 国士舘短期大学, 国文学科, 教授 (30214224)
落合 博志 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (50224259)
大谷 節子 神戸女子大学, 文学部, 助教授 (90211797)
三宅 晶子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (20181993)
小林 健二 大谷女子大学, 文学部, 教授 (70141992)
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Keywords | 謡本 / 番外謡 / 観世流 / 金春流 / 春藤流 / 吉田文庫 / 演劇博物館 / 能楽研究所 |
Research Abstract |
本年は、主に謡本資料の収集を行った。主たる入手資料としては、八代松井家蔵一番綴観世流謡本、早稲田大学演劇博物館蔵十番綴春藤流謡本、同蔵寛永頃刊観世流五番綴異書体小本書外謡本、島原松平文庫蔵書外謡本三種、伊藤正義氏蔵堀池宗叱節付本、同蔵寛永十年三月刊五番綴異書体小本番外謡本、松蔭女子学院蔵堀池宗活節付本、天理図書館蔵室町末期筆観世流謡本、同蔵古活字玉屋本、法政大学能楽研究所蔵岩本秀清本などがある。また文部科学省国文学研究資料館によるCD-ROM本「謡曲集」(仮題)の制作にも、本研究メンバー全員が参画し、能楽研究所蔵伝観世小次郎信光節付謡本のデータ化に関わる校正作業を行った。研究成果の発表は、本年3月23日に法政大学能楽研究所で研究会議を開き、そこで江戸期番外謡版本に関する研究を竹本が発表予定である。なお本補助金で竹本が2月下旬に行った新潟東新津市吉田文庫への出張調査の際、謡本の節付の祖型となった宴曲本の調査を通じて、関東大震災で原本が焼失した松廼舎文庫蔵西本願寺本「宴曲抄』策5巻の全冊35枚分のガラスネガを発見し、また同じく原本が大震災で焼失した松廼舎文庫本「世阿弥十六部集」の内、『三道』(能作書条々)の原本からの影写本を発見した。これらはいずれも画期的発見と言ってよいが、本研究には直接の関わりがないため、来年度以降は早稲田大学演劇博物館を拠点とする21世紀COE事業「演劇の総合的研究と演劇学の確立」のプロジェクト研究に移管し、そちらで研究を継続することとしたい。
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