2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13302002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩橋 健定 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50293999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 敬子 学習院大学, 法学部, 教授 (30272131)
小澤 一雅 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80194546)
國島 正彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00201468)
高橋 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (40282587)
山本 隆司 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (70210573)
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Keywords | 公共事業 / 環境影響評価 / 代替案 / 公共工事契約 / 技術評価 / 出来高部分払い / 紛争解決 / 地方分権 |
Research Abstract |
平成15年度は三年間の研究の最終年度に当たるため、前二年度に行った論点の検討を踏まえて、それらの検討の成果を取りまとめ、公共事業コントロール法の立案につながる形で要約し、公共事業コントロール法の大綱的事項について明示することを行った。 まず、公共事業コントロール法の対象については、狭く限定するべきではなく、a)その事業が公共性を有することを理由に純粋に私的な事業とは異なった扱いをされる事業であって、b)国土の物理的改変を伴う事業として広くとらえる必要があることが明らかになった。 公共事業コントロール法によって定めるべき理念については、1)過大な公共事業による財政の圧迫の回避、2)公益に合致しない不要な公共事業の排除、3)公共事業による環境の破壊の回避、4)公共事業の施行過程の効率化、5)国と地方公共団体との役割分担、の以上五点に整理することが適当との結論に至った。 公共事業コントロール法においては、以上の点を公共事業に係る基本理念として掲げ、この基本理念を実現する上で必要な関係者の責務について明らかにすることが必要となる。さらに、これらの理念を実現する上で必要な施策について列挙するとともに、それらの施策が総合的かつ効率的に進められることを確保するための計画と第三者機関との必要性も明らかとなった。以上の各項目は、いわゆる「基本法」において定められる内容と重なっているため、公共事業コントロール法の立案という課題は、まずは「公共事業基本法」の制定を意味することも明らかとなった。 さらに、「公共事業基本法」において列挙されるべき施策について明らかにし、そのいくつかについては具体的な施策内容をも提言した。具体的には、財政赤字の削減・公共事業手続の通則的内容・検討すべき代替案の範囲・公共事業による環境の非悪化(いわゆるNo net loss)・公共工事積算制度の抜本的な改革などである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 山本隆司: "住民訴訟"条解行政事件訴訟法・第二版. 111-152 (2003)
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[Publications] 櫻井敬子: "予算制度の法的考察"会計検査研究. 28号. 21-32 (2003)
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[Publications] 櫻井敬子: "河川と下水道"自治実務セミナー. 42巻7号. 11-15 (2003)
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[Publications] 國島正彦: "日本の競争力"橋梁と基礎. 2003-8. 7-11 (2003)
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[Publications] 國島正彦: "建設分野の失敗の正体"日本機械学会誌. 1014. 61-63 (2003)
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[Publications] 高橋 裕: "裁判の枠組みと法"法学セミナー増刊法学入門. 2004. (2004)
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[Publications] 國島正彦: "出来高部分払方式による公共工事マネジメントシステムの開発"(財)日本建設情報総合センター. 228 (2003)