2002 Fiscal Year Annual Research Report
常時大気自由振動の検出と地球・大気系常時自由振動論の展開
Project/Area Number |
13304034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 助手 (30301112)
須田 直樹 広島大学, 理学研究科, 助教授 (10222069)
田平 誠 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80024008)
西田 究 東京大学, 地震研究所, 助手 (10345176)
小林 直樹 東京工業大学, 理学系研究科, 助手 (30272660)
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Keywords | 長周期大気音波 / 常時地球自由振動 / 大気圧観測 |
Research Abstract |
本計画の目的は、1,常時地球自由振動の励起源としての大気擾乱の性質を明らかにし、2,未発見の常時大気自由振動の検出を試みることにある。このため昨年度末、東大千葉演習林の南北方向にのびる林道に沿って、低消費電力型の超高精度気圧測装置20台を等間隔にアレーとして設置した。本年度はそれに続き、7台の気圧計を直行方向に展開し、十字アレーを完成させた。また別途科研費により購入した超音波風速計を十字アレーの基点(交流電源使用可)に設置し連続観測を開始した。 回収したデータを、波動現象に注目して解析した。解析によって同定された波動は大きく3種類に分類できる。(1)周期約5秒の音波の脈動が、南東方向から到来していることが明らかになった。観測された脈動の振幅は近傍の海洋波浪に強く影響されおり、脈動の起源は海洋波浪であると考えられる。(2)北東方向から到来する周期50秒程度の音波を検出した。観測された音波は常に励起されている。その励起源は現在のところ分かっていない。(3)局所的な構造を反映した重力波が北西方向から到来していることがわかった。その活動は局所的な大気の成層度に強く依存している。 また観測期間中、火山噴火に伴う周期5秒程度の低周波音波発生イベントを観測した。このイベントは愛知教育大学キャンパスにあるパイプアレー観測システムにも記録されていた。それぞれの観測点で観測された音波の野到来方向、到来時刻から桜島の噴火イベントを検地していたと推測される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fukao Y, Nishida K, Suda N, Nawa K, Kobayashi N: "A theory of the Earth's background free oscillations"JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH-SOLID EARTH. 107・B9. 2203 (2002)
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[Publications] Nishida K, Kobayashi N, Fukao Y: "Origin of Earth's ground noise from 2 to 20 mHz"GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS. 29・20. 1413 (2002)
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[Publications] 田平 誠: "大気の温度構造とインフラソニック波の長距離伝播"超音波TECHNO, 第3巻. 3・10. 23-27 (2001)