2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13304046
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
圦本 尚義 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80191485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 圭 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50311519)
藤本 正樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30242811)
井田 茂 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60211736)
榎森 啓元 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30262257)
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Keywords | 惑星系 / 惑星系円盤 / 隕石 / 電磁流体 / 力学系 / シミュレーション / 質量分析 / 原始星 |
Research Abstract |
惑星や隕石の平均化学組成は太陽系平均組成とすこしずつ異なり、それぞれ独自の値をもつことが知られている。この隕石や惑星の化学組成の変動は、原始惑星系円盤において太陽近傍まで落下したダストが太陽系外縁部に還流した結果であると考えられる。本研究では、この原始太陽系中心から外縁部まで達する原始太陽系における物質大循環に関するモデルを隕石中の物質の分析結果と惑星系円盤中の電磁気学的・力学的・化学的シミュレーションを結合させ、定量化することにある。 本年度は昨年度のシミュレーションと隕石中の同位体分布の研究を発展させ,以下のような成果を得た。 1.原始惑星系円盤内でのダストの沈殿成長シミュレーションを行ない、初期条件によらずに、100〜1000万年で、ダスト沈殿成長によって、ダスト放射が消失することがわかった。つまり、ダスト放射消失は円盤消失を意味しない。 2.太陽系に見られる酸素同位体17/18比を変えずに16の存在度のみを大きく変化させる原因が太陽系をつくった母分子雲中のCO光解離反応にあることを発見した。この酸素16の異常は分子雲中で生成された氷により太陽系へと運搬された。 3.太陽系星雲における酸素16の過剰の程度が従来の2倍ある物質を隕石中から発見した。 4.荷電粒子検出イメージセンサーを用いた同位体顕微鏡システムにより,隕石マトリックス中に酸素16の過剰を持つ低Ca輝石の微粒子を発見した。 5.コンドリュールと難揮発性包有物の間の親近性を実証し,原始性の周りにおいてこれらが同時に形成される可能性を示した。 6.これらの成果をピーアレビュウするために,ワークショップを開催した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kokubo, E., S.Ida: "Formation of Protoplanet Systems and Diversity of Planetary Systems"Astrophys. J.. 581. 666-680 (2002)
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[Publications] Kitamura, Y., M.Momose, S.Yokogawa, R.Kawabe, M.Tamura, S.Ida: "Investigation of the Physical Properties of Protoplanetary Disks around T Tauri Stars by a One-Arcsecond Imaging Survey : Evolution and Diversity of the Disks in their Accretion Stage"Astrophys. J.. 581. 357-380 (2002)
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[Publications] Kominami, J., S.Ida: "The effect of tidal interaction with a gas disk on formation of terrestrial planets"Icarus. 157. 43-56 (2002)
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[Publications] Yurimoto, H., Wasson, J.T.: "Extremely rapid cooling of a carbonaceous-chondrite chondrule containing very ^<16>O-rich olivine and a ^<26>Mg-excess"Geochim. Cosmochim. Acta. 66. 4355-4363 (2002)
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[Publications] Kim, G.-L., Yurimoto, H., Sueno, S.: "Oxygen isotopic composition of a compound Ca-Al-rich inclusion from Allende meteorite : implications for origin of palisade bodies and O-isotopic environment in the CAI forming region"J. Min. Petrol. Sci.. 97. 161-167 (2002)
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[Publications] 高柳功, 中村淳一, E.R.Fossum, 永島一秀, 国広卓也, 圦本尚義: "低暗電流化荷電粒子検出イメージセンサ"ITE Technical Rept.. 26. 7-12 (2002)
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[Publications] 井田 茂: "惑星学が解いた宇宙の謎"洋泉社. 222 (2002)