2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13304051
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大坪 徹夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安蘇 芳雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60151065)
瀧宮 和男 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40263735)
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Keywords | ナノスケール分子 / 分子ワイヤー / 分子素子 / クラウンエーテル / オルゴチオフェン |
Research Abstract |
本研究では、明確な構造をもつナノメートルザイズの共役オリゴマー分子を先端機能材料の観点から開発し、導電材料、光電変換材料、電界発光材料、電界効果トランジスター材料など多彩な分子エレクトロニクス材料へと適用できることを目標としている。研究の最終年度であることより、当初計画した目的の総決算として以下の3つの項について集中的に研究した。1)本研究では、長鎖共役分子が実際にナノ電極を架橋できる分子ワイヤーとして機能するかは、最も重要視した課題である。そこで、これまでに開発した10nmを超える鎖長を有するオリゴチオフェン24量体の末端に金と接続できるチオールによる官能化を施し、ナノミクロギャップ電極の架橋に最適な分子の開発に成功した。この分子を用いてナノ電極の作製を依頼中である。2)ポルフィリン/オリゴチオフェン/フラーレン三元系化合物の研究で、オリゴチオフェンは光誘起電子移動の有効な分子ワイヤーとして働くことが分かった。本年度はさらに進めて、外部刺激により共役鎖の分子構造や電子構造が変化を生じることに起因するゲート付き分子ワイヤーの開発を行った。具体的には、オリゴチオフェンのユニット間にクラウンエーテル鎖を架橋し、クラウンエーテル間の金属補捉により電子移動のon/offを行った。オリゴチオフェンの中央に架橋した系が末端に架橋した系より良好なゲート機能を示すことがわかった。3)これまでの研究で、オリゴチオフェン/フラーレン二元系が効率のよい光誘起電荷分離を引き起こすことを明らかにし、さらに、この機能を利用して光電変換素子の作成に成功した(変換効率0.6%)。本年度は、分子修飾による変換効率の向上を目指して、二元系のフラーレンの数を増やすことによる電子輸送経路の効率化を考えた。しかしながら、フラーレンの数を増やすと化合物が難溶性となり良質な膜が形成できないという難点を生じた。
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Research Products
(6 results)