2002 Fiscal Year Annual Research Report
衛星同期/常時共同観測による琵琶湖流域水・熱・物質循環過程の解明に関する総合研究-琵琶湖プロジェクト第3ステージ-
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13305033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中北 英一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70183506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 哲 山梨大学, 工学部, 助教授 (30252521)
戎 信宏 愛媛大学, 農学部, 助教授 (60176782)
田中 賢治 京都大学, 防災研究所, 助手 (30283625)
森山 聡之 崇城大学, 工学部, 助教授 (50136537)
岩田 徹 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (10304338)
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Keywords | フラックス面的観測、 / SAT / シンチロメータ / 陸面過程モデルSiBUC / 水田灌漑 / 積雪・融雪過程 / 水・熱収支 / 琵琶湖流域 |
Research Abstract |
水文・水資源学会研究グループ「大気境界層における乱流フラックス研究会、京都大学防災研究所一般共同研究「均質な地表面上での不均質なフラックス分布の測定に関する研究」、琵琶湖プロジェクトが共同して、フラックスの面的直接観測を実施した。観測体制は琵琶湖プロジェクト常設熱収支観測に加えて、鉛直風系を計測するドップラーソーダー(2地点)、水平方向のパス平均の顕熱フラックスを計測するシンチロメータ(4台)、大気の鉛直プロファイルを計測するGPSゾンデ(1台)、潜熱・顕熱・放射を計測するスーパーサイト(4地点)、顕熱・放射を計測する準スーパーサイト(1地点)、顕熱を計測するSATサイト(10地点)、航空機搭載赤外線カメラ(1台)であった。全国15の大学・研究機関から約40名の参加者を得て、11/5よりポール設置や電源ケーブル敷設等の観測準備、11/10より測器の設置、11/14から11/20までデータ取得、11/21,22と測器の撤収、11/26には電源ケーブルの撤収と、約3週間に及ぶ観測を実施した。今回のフラックス集中観測は、1200m×500mの範囲に17台(2台は鉛直3高度なので15ヶ所)もの乱流測器を配置した前代未聞の観測であり、特に気を使ったのが観測の安定性のための電源対策であった。具体的には総延長2.4kmに及ぶ電源ケーブルを観測サイト一帯に張り巡らし、3ヶ所から電源を供給した。このため研究費の大部分がこの集中観測の実施のために使用された。取得したデータ(解析前の生データ)は約9GBに及ぶが、主な解析対象は南風が卓越し、晴天であった11/17となる。 一方,数値モデリングとしては、琵琶湖流域全体を3kmメッシュで分割して、1998年8月〜2000年7月の2年分について水・熱収支計算がされた。具体的にはアメダス、気象官署、レーダーアメダス合成雨量などのデータを内挿して作成された気象強制カメッシュデータを積雪・融雪過程、水田灌漑過程を導入した陸面過程モデルSiBUCに与え1時間単位で計算を行うことにより、これまで不明であった琵琶湖への地下水流入量や灌漑水量が推定された。琵琶湖プロジェクト常設観測で得られたデータを用いて、陸面モデルのポイント検証がされるとともに、琵琶湖水位の季節変化から水収支の妥当性が検証された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中賢治, 相馬一義, 中北英一, 池淵周一: "ARPSによる琵琶湖プロジェクト集中観測時の大気場の再現"京都大学防災研究所年報. 45・B. 657-676 (2002)
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[Publications] 鈴木善晴, 宮田昇平, 中北英一, 池淵周一: "メソ気象モデルを用いた降雨場の時間積分過程の解析"京都大学防災研究所年報. 45・B. 765-784 (2002)
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[Publications] 鈴木善晴, 宮田昇平, 中北英一, 池淵周一: "メソ気象モデルによる数値シミュレーションに基づいた降雨-地形関係の解析"土木学会水工学論文集. 47. 73-78 (2003)
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[Publications] 石田祐宣, 樋口篤志, 田中賢治, 松島大, 玉川一郎, 浅沼順他: "複数の乱流計測機を用いた乱流熱輸送量空間分布観測の概要-琵琶湖プロジェクト2002年集中観測(CAPS)"気象学会2003年度春季大会予稿集. (発表予定). (2003)
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[Publications] 樋口篤志, 田中賢治, 石田祐宣, 松島大, 玉川一郎, 浅沼順他: "琵琶湖プロジェクト2002年集中観測(Catch A Plume by SATs : CAPS);その概要"気象学会2003年度春季大会予稿集. (発表予定. (2003)
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[Publications] 家本薫, 浅沼順, 宮田明: "大口径シンチロメーター(LAS)を用いた収穫後の水田における顕熱フラックスの測定"気象学会2003年度春季大会予稿集. (発表予定). (2003)