2001 Fiscal Year Annual Research Report
都市空間の持続可能な社会ストック化の方法論に関する研究
Project/Area Number |
13305034
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 良嗣 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00133091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 健一 岐阜経済大学, 経営学部, 助教授 (80259267)
冨田 安夫 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (60237120)
片木 篤 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70204419)
森杉 雅史 名古屋大学, 環境学研究科, 助手 (00314039)
加藤 博和 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (90293646)
佐々木 葉 日本福祉大学, 情報社会科学部, 助教授 (00220351)
奥田 隆明 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (40233457)
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Keywords | 都市ストック化 / 成熟経済 / 少子高齢化 / 持続可能な都市 / 都市計画コンセプト / QOL / 景観評価 / 情報公開と協働 |
Research Abstract |
本年度は主に、本研究で提示すべき基本的理念である「都市の持続可能型ストック化」に関する検討を行った。まず、「都市の持続性」概念を整理するとともに、それが満たされないがゆえに生じる「都市崩壊」のシナリオを提示し、日本の都市にそれが欠けているために、今後、環境面・財政面で都市存続にかかわる多くの問題が生じてくると予想されることを示した。それを防ぐために都市がとるべき「ストック化」施策を整理するとともに、それに基づいて各街区を定量評価するために「ストック化度」指標を定義し、それを計量する手法を構築した。この指標は街区のストック化を規定するさまざまな物理的・機能的・経済的要素によって変化するように構成されており、それゆえにストック化を実現するための都市計画諸制度との関係も明確に整理されている。 さらに、都市空間の社会ストック化を実現しうる都市計画コンセプトを検討し、特に今後の日本社会で都市計画評価において重要になってくると予想される「生活者」の視点を導入するために「Quality Of Life(QOL)」を定量化し、先に定義した「ストック化度」との対応を明らかにした。QOL指標の定量化にあたっては、幾つかの都市で試行的なサンプル調査を行い、都市間でQOLに対する価値観の違いが存在することを明らかにした。 また、都市ストック化を実現するための法制度や財政・税制システムの詳細検討のためのシステムとして、環境負荷の小さい都市2次元配置を見出す土地利用モデルと、GISとウォークスルーCGの連携による都市3次元デザインの視覚評価ステムを開発した。それに合わせて、将来都市の経済・環境持続性条件の検討のためのデータ収集を進めた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 杉山郁夫、林良嗣、加藤博和、澤田基弘: "価値観の将来変化と序数性を考慮した都市インフラストラクチャー代替案の評価"日本環境共生学会2001年度学術大会発表論文集. 26-29 (2001)
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[Publications] 林良嗣、YuMei、加藤博和、山本剛司、五十島忠、杉山郁夫: "都市計画における都市ストック化の視点とその捉え方"土木計画学研究・講演集. 24(2). 873-876 (2001)
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[Publications] .Hayashi, I.Sugiyama, K.Sugihara, H.Kato, Y.Suzuoki: "Planning the Future of City in 3-Dimensional Perspective Towards Greening Transport and Social Capitarization of Urban Land"Proceedings of 9th World Conference on Transport Research, Seoul. (印刷中). (2001)
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[Publications] 冨田安夫・寺嶋大輔・八木秀生: "都心居住促進方策の人口誘導効果の感度分析とインフラ費節約効果の試算"土木計画学研究・講演集. (2001)
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[Publications] Yasuo Tomita, Daisuke Terashima, Seigo Nakamura: "Seeking for Sustainable Urban Form and Transportation System in Nagoya Metropolitan Area by Using an Integrated Land-Use and Transport Model"Proceedings of 9th World Conference on Transport Research, Seoul. (印刷中). (2001)
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[Publications] 片木篤: "田園から見た田園都市"家とまちなみ. 45(印刷中). (2002)
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[Publications] 加藤和博、林良嗣、喜代永さち子、北野恭央: "都市の環境マネジメントのためのインパクト評価システム開発"土木計画学研究・講演集. 24(1). 661-664 (2001)