2001 Fiscal Year Annual Research Report
室温作動型光検知式水素ガスセンサの作動メカニズムの解明
Project/Area Number |
13305060
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡元 智一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60313566)
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Keywords | 水素ガスセンサ / 室温作動型 / 光検知方式 / Pd / Y薄膜 / Pd薄膜 / Pd / Mg薄膜 / エリプソメトリー / 成膜条件 |
Research Abstract |
本基盤研究では、イットリウム(Y)、マグネシウム(Mg)、パラジウム(Pd)薄膜の光学的性質が水素化に伴って変化する現象を光検知式水素ガスセンサに応用し、センサの高感度化及び高速化を目指した。これまで、Pd単層薄膜及びPd/Y二層薄膜素子で、室温にて水素ガスの検知が可能であることを確認した。しかし、応答時間に比べて回復時間が長いという欠点を有していた。そこで、センサ素子の膜厚を制御することにより、回復時間の短いセンサを実現させることを目的とし、ガス検知特性について調査した。また、応答速度、検出感度の更なる向上のために、ガス検知機構の解明を試みた。さらに、成膜条件を変化させて作製したPd薄膜の感度と耐久性についても調査した。 室温で水素にさらすことにより、大きな透過率の増加を示したPd/Y二層薄膜の水素ガス検知特性に対するPd層の膜厚依存性を調査した。Pd層の膜厚の減少に伴い、水素中でのPd/Y薄膜の光学定数が、Pd水素化物の金属的な振る舞いからY水素化物の半導体的な振る舞いへ移行することが分かった。また、Pd/Y薄膜の回復時間は、Pd層の膜厚を制御することにより、短くなることが分かった。最適なPd層の膜厚は約6nmであった。 Pd/Y薄膜を上回る劇的な透過率の増加を示したPd/Mg薄膜の水素ガス検知機構を分光エリプソメトリーにより調査した。その結果、水素中のPd/Mg薄膜の透過率変化には、自由電子の減少と電子分極の出現の両者が寄与していることが分かった。 スパッタ時のArガス圧及びスパッタ時間を変化させて作製したPd薄膜の感度と耐久性について調査した。その結果、(1)感度及び耐久性が高い試料、(2)感度は高いが耐久性が低い試料、(3)耐久性は高いが感度が低い試料に分類できたことから、成膜条件を変化させることにより、感度と耐久性を制御できることが分かった。
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Research Products
(1 results)