2003 Fiscal Year Annual Research Report
非球形状プロジェクタイルによる超高速衝突損傷の評価と新バンパーシールドの開発
Project/Area Number |
13305065
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤星 保浩 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60222519)
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Keywords | 二段式軽ガス銃 / 宇宙ごみ / 超高速衝突 / 二次デブリ雲 / 質料分布 / 飛散角度分布 / 速度分布 / 自己シール機能 |
Research Abstract |
非球形状プロジェクタイルとして回転楕円体を取り上げ、回転楕円体用にサボの改良を行った。このサボを用いて回転楕円体を秒速2〜4kmに加速し、A16061板に超高速衝突させた際に発生する二次デブリ雲の質量分布、飛散角度分布、速度分布をフラッシュX線等を用いて計測し、同質量の球形状プロジェクタイルの場合との相違について検討を行った。今回の実験では、ヨー角が50度前後と大きな値となってしまったため、非球形状プロジェクタイルの場合の方が球形状プロジェクタイルよりもデブリ雲が広がるという結果が得られた。次年度はサボ分離機構を見直すことでヨー角が小さい場合の実験を行えるようにする予定である。また、自己シール機能を向上させるために新しいシール材の開発を行った。円形形状貫通孔に対しては従来のシール材に比べて性能が劣るものの、非円形形状貫通孔に対しては従来のシール材に比べて格段のシール性能を発揮することを確認した。宇宙ごみの大半はいびつな形状をしていることを考慮すると、今回開発したシール材の方が実際の宇宙環境での使用に適しているものと考えられる。 また、自己シール機能の延長線上のものとして新たにヘルスモニタリング機能についても検討を行った。現状の国際宇宙ステーションでは宇宙ごみがどこに衝突したのかをリアルタイムでモニターする機能が備わっていない。このため、マニュピレータに取り付けたカメラで表面をスキャンするか、または、宇宙飛行士の船外活動により検査を実施するしか手段がないのが現状である。大きな宇宙ごみが衝突した場合はその被害箇所からすぐに特定が可能であるが、弾道限界曲線よりわずかに上回る大きさの宇宙ごみが衝突した場合はどこに貫通孔を生じたのかが特定することができない。そこで衝突箇所を迅速に特定できるヘルスモニタリング機能はバンパー構造の部として付加することは非常に重要である。また、宇宙ステーションのモジュール全体モニタリングすることで、大面積センサーによる宇宙ごみ検出を行うことが可能となり、詳細な宇宙ごみ分布モデルを作成する上で非常に貴重なデータを蓄積することが可能となる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Akahoshi, C.Kitamoto, S.Fukushige, H.Hata: "Development of Structure with Secondary Defense Function against Space Debris Impact"International Journal of Impact Engineering. 29. 1-12 (2003)
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[Publications] H.Hata, Y.Kurakazu, Y.Akahoshi, T.Hanada, T.Yasaka, S.Harada: "Model Improvement for Low-velocity Collision Possible in Space"International Journal of Impact Engineering. 29. (2003)
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[Publications] Y.Akahoshi, M.Kaji, H.Hata: "Measurement of Mass, Spray Angle and Velocity Distribution of Fragment Cloud"International Journal of Impact Engineering. 29. (2003)
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[Publications] 赤星保浩, 松田英二, 生田一成: "Electrothermal-Chemical Gunの開発"平成15年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 37-38 (2004)
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[Publications] 東出真澄, 田中真, 赤星保浩, 遠山文雄: "デブリ衝突における金属メッシュ材料の破壊"平成15年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 259-262 (2004)
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[Publications] 赤星保浩, 福重進也, 北本千尋, 岡田貴洋, 波多英寛: "スペースデブリの衝突に対するモニタリングシステムの検討"平成15年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 275-278 (2004)