2003 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性環状微生物テルペン類における生合成環化反応の全容解明と開発基盤研究
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13306009
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐々 武史 山形大学, 農学部, 教授 (80023456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 英章 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00185175)
加藤 修雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50150537)
星野 力 新潟大学, 農学部, 教授 (30165542)
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
大利 徹 富山県立大学, 生物工学研究センター, 助教授 (70264679)
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Keywords | ジテルペン / テルペン環化酵素 / 生合成 / スクアレン / フォマクチン / テトラテルペン |
Research Abstract |
1、糸状菌におけるフシコッカン炭化水素生成過程の解析 フシコクシン生産菌N-74株のフシコッカン系炭化水素成分の精査を行い、新化合物(+)-フシコッカ-3(16),10(14)-ジエンと(+)-δ-アラネオセンを単離・構造決定し、GGDPからフシコッカン生合成中間体の生成過程を実証的に解明した。 2、細菌のスクアレン環化酵素の部位特異的変異実験による機能解析 反応終結部位に想定された多数のアミノ酸残基の置換解析を行い、最終中間体ホパニルカチオンのイソプロピル基の脱プロトン化において、Gln262とPro263が"front water"を適切な場所に配置し、ホパノール等の副生成物の形成を抑制するために有効に機能することを示した。 3、糸状菌のジテルペン環化酵素の反応機構の解析 PAF拮抗阻害物質フォマクチンの骨格合成酵素に関して知見を得るため、同位体標識実験を行った。得られた実験データより、環化酵素活性部位内で基質GGDPが6員環舟型立体配座を取り、途中で生じる3級カチオンが配座を変えること無く2個の炭素結合形成が進行することを推定した。 4、原核生物起源のジテルペン環化酵素遺伝子の解析 テルペノイド環化酵素遺伝子はpolyprenyl diphosphate synthase遺伝子と染色体上でクラスターを成していることを利用し、新たに3種類の放線菌から、ジテルペン環化酵素遺伝子を2つ、テトラテルペン環化酵素遺伝子を1つ取得した。 5、担子菌、糸状菌のジテルペン環化酵素遺伝子のクローニング フシコクシンを生産する異なる2菌株(F6とN74)について、GGDP合成酵素遺伝子のクローニングを行い、これらを基に染色体歩行を行った結果、2種類のジテルペン環化酵素遺伝子PaDC1とPaDC2の取得に成功した。各cDNAから組換えタンパク質を調製し機能解析を行った結果、前者はGGDPからフィロクラダン-16α-オールを生成する酵素をコードすることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kenmoku, H.: "Erinacol(cyatha-3,12-dien-14β-ol)and 11-O-acetylcyathin A_3, new cyathane metabolites from an erinacine Q-producing Hericium erinaceum"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 68(in press). (2004)
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[Publications] Sassa, T.: "Fusicocca-3(16),10(14)-diene, and β-and δ-araneosenes, new fusicoccin biosynthesis-relating diterpene hydrocarbons from Phomopsis amygdali"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 68(in press). (2004)
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[Publications] Sato, T.: "Site-directed mutagenesis experiments on the putative deprotonation site of squalenehopene cyclase from Alicyclobacillus acidocaldarius"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 68(3)(in press). (2004)
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[Publications] Kawasaki, T.: "A relationship between the mevalonate pathway and isoprenoid production in Actinomycetes"J.Antibiot.. 56(12). 957-966 (2003)
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[Publications] Toyomasu, T.: "Cloning of a gene cluster responsible for the biosynthesis of diterpene aphidicolin, a specific inhibitor of DNA polymerase α"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 68(1). 146-152 (2004)
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[Publications] 及川 英秋: "生物活性ジテルペンの酵素的生産を目指して"化学と生物. 41(12). 807-814 (2003)