2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13307002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50115929)
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Keywords | 脂質滴 / ADRP / ARF1 / Rab18 / Yeast two-hybrid / 質量分析法 |
Research Abstract |
脂質滴はほとんどの細胞に見られる構造であり,コレステロールエステルやトリグリセリドなどの中性脂質が集積する.脂質滴は細胞内脂質動態に重要な位置を占めると考えられるが,その詳細な機能は明らかでない.脂質滴機能を解明する目的で2つのアプローチを行った. 1)ADRPとの結合蛋白質をYease two-hybrid法で検索し,ARF1を得た.両者の結合はGST-pull down,免疫沈降法で確認した.ARF1の機能をdominant-negative変異体,Brefeldin Aで阻害すると,ADRPが脂質滴から脱落する現象が観察され,また新規の脂質滴形成が阻害された. 2)質量分析法により脂質滴蛋白質組成を網羅的に解析し,新たな脂質滴蛋白質を同定した.その一つであるRab18は脂質滴にほぼ限局して発現した.内在性Rab18は脂質滴表層でADRPと共存するが,その標識強度は相補的であり,さらにEGFP-Rab18を強制発現させるとADRPの発現が低下した.またEGFP-Rab18を発現した細胞では小胞体と脂質滴が密着する構造が観察された.同様の構造はRNA干渉法でADRPを発現抑制した細胞,およびBrefeldin A処理でADRPを脂質滴表層から脱落させた細胞でも認められた. これらの結果はRab18やARF1がADRPの挙動に影響を与えることにより脂質滴の構造や機能に変化をもたらすことを示唆する.特に脂質滴と小胞体の間の密着は,他の同様の構造(MAM, PAM)と同じく脂質輸送に関連すると推測され,詳細な機能解析が必要である.
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Research Products
(6 results)