2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13307028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中内 啓光 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40175485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 厚志 東京大学, 医科学研究所, 講師 (70244126)
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Keywords | 造血幹細胞 / 可塑性 / Gfi-1B / lnk / アダプター分子 |
Research Abstract |
1)昨年に引き続きGFPトランスジェニックマウスならびにROSA26マウス由来の一個のCD34-KSL細胞、一個のSPKSL細胞、全骨髄細胞などを移植したマウスを多数作成した。血液系の再構築を確認してから物理的ダメージ、cardiotoxin、四塩化炭素などにより神経、筋、肝臓などに傷害をあたえた。その後、組織切片を作り、蛍光抗体法、特種染色などを行ない、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析を行った。その結果、いずれの場合も多数のGFPあるいはLac-Z陽性細胞を認めたが、そのほとんどは単球系の血液細胞であり、これまでに報告されているような造血幹細胞の可塑性に対して否定的な結果が得られた。傷害は与えていないものの、網膜、心筋、腎、膵臓、小腸、脾臓、胃、腫瘍等調べた限りの全ての臓器で造血幹細胞の可塑性を明確に示す所見は得られていない。 2)造血幹細胞において特異的に発現している転写因子としてGfi-1Bを同定した。この転写因子の造血における機能を明らかにすることを目的として、この遺伝子をレトロウイルスによって強制的に純化した造血幹細胞に導入して発現させた。Gfi-1Bを発現している造血幹細胞はエリスロポエチン非存在下でも赤芽球系に偏って分化する傾向が見られた。 3)lnkというアダプター分子を欠くlnkKOマウスでは造血活性が著しく増大していることが報告されている。そこでこの造血能の亢進が造血幹細胞数の増加によるものなのか、あるいは個々の造血幹細胞の能力が増大していることによるのかを明らかにするためlnkKOマウス骨髄中の造血幹細胞について解析を行った。その結果これらのマウスでは野生型マウスに比しておよそ10倍程度造血幹細胞数が増加していることが明らかとなった。
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[Publications] Osawa M., et al.: "Erythroid expansion mediated by the Gfi-1B zinc finger protein : role in normal hemaoroiesis"Blood. 100. 2769-2777 (2002)
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[Publications] Hirasawa R., et al.: "Essential and Instructive Roles of GATA Factors in Eosinophil Development"J Exp Med. 195. 1379-1386 (2002)
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[Publications] SuzukiA, et al.: "Establishment of clonal colony-forming assay system for pancreatic stem/progenitor cells"Cell Transplant. 11. 451-453 (2002)
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[Publications] Shimizu Y., et al.: "Fca/m receptor is a single gene-family member closely related to polymeric immunoglobulin receptor on chromosome 1"Immunogenetics. 53(8). 709-711 (2001)
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[Publications] Yutaka Sakai, et al.: "Bone marrow of chimerism prevents atherosclerosis in arterial walls of mice. deficient in Apolipoprotein E."Atherosclerosis. 161. 27-34 (2002)