2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しい概念に基づく不斉触媒の創製と医薬関連物質合成への展開
Project/Area Number |
13307062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 求 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20243264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 茂樹 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (50334339)
大嶋 孝志 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10313123)
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Keywords | フッ化銅 / アルドール反応 / シアノアルキル化反応 / 直接的触媒的アルドール反応 / 触媒的不斉反応 / 不斉触媒 / 触媒的不斉Strecker反応 / ジ置換アミノ酸 |
Research Abstract |
1.フッ化銅触媒を用いた基質一般性の高いケトンに対する触媒的アルドール反応を開発した。反応機構解析をもとに、ケテンシリルアセタールから求核性の高い銅エノラートが生成しこれが実際の活性種として働いていることを明らかとした。本反応がケトンに対する触媒的不斉アルドール反応へと展開可能であることを示した。 2.同一の触媒がTMSCH_2CNのケイ素-炭素結合を活性化し、アルデヒドやケトンに対して適用可能な極めて基質一般性の高い触媒的シアノアルキル化反応を見いだした。本反応も触媒的不斉反応へと展開可能であった。 3.上の反応を進行させるための触媒設計の基本概念であるソフト金属(銅)-ハードフッ素アニオン複合系の考え方を発展させて、銅アルコキシドを触媒とする基質一般性の高いアルキルニトリルを求核剤とする一般性の高いアルデヒドに対する触媒的直接的シアノアルキル化反応を開発した。本反応が不斉化できることを示した。ニトリルはカルボン酸誘導体に容易に導くことができるので、本反応はエステルエノラート等価体の直接的触媒的不斉アルドール反応と考えられる。 4.糖を母核としたリガンドのガドリニウム触媒を用いて、基質一般性と触媒回転効率の最も高いケトイミンの触媒的不斉Strecker反応を開発した。さらに触媒量のTMSCNを当量のHCNと組み合わせることにより、アトムエコノミーに優れた反応へと展開することができた。生成物は重要キラルビルディングブロックであるジ置換アミノ酸へと容易に誘導できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Oisaki, K., Suto, Y., Kanai, M., Shibasaki, M.: "A New Method for the Catalytic Aldol Reaction to Ketones"J.Am.Chem.Soc.. 125. 5644-5645 (2003)
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[Publications] Masumoto, S., Usuda, H., Suzuki, M., Kanai, M., Shibasaki, M.: "Catalytic Enantioselective Strecker Reaction of Ketoimines"J.Am.Chem.Soc.. 125. 5634-5635 (2003)
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[Publications] Suto, Y, Kumagai, N., Matsunaga, S., Kanai, M., Shibasaki, M.: "Direct Catalytic Aldol-Type Reaction Using RCH_2CN"Organic Letters. 5. 3147-3150 (2003)
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[Publications] Funabashi K., Jachmann, M., Kanai, M., Shibasaki M.: "Multicenter Strategy for the Development of Catalytic Enantioselective Nucleophilic Alkylation of Ketones Me_2Zn Addition to α-Ketoesters"Angew.Chem.Int.Ed.. 42. 5489-5492 (2003)
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[Publications] Masumoto, S., Usuda, H., Suzuki, M., Kanai, M., Shibasaki, M.: "Catalytic Enantioselective Strecker Reaction of Ketoimines"J.Am.Chem.Soc.. 125. 5634-5635 (2003)
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[Publications] Fujii, K., Maki, K., Kanai, M., Shibasaki, M.: "Formal Catalytic Asymmetric Total Synthesis of Fostriecin"Org.Lett.. 5. 733-736 (2003)