2002 Fiscal Year Annual Research Report
倫理的判断を基盤とした看護ケアを支援する看護倫理の教育モデルの開発
Project/Area Number |
13307070
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
野嶋 佐由美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 早苗 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (50226784)
高野 順子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (00226804)
鈴木 志津枝 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00149709)
川上 理子 高知女子大学, 看護学部, 助手 (60305810)
中野 綾美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (90172361)
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Keywords | 看護処理 / 抑制・身体拘束 |
Research Abstract |
1.抑制に関する調査 1)抑制・身体拘束に関する調査用紙の作成 『ケア対象者の安全・安楽・尊厳を保証する抑制・身体拘束ケアガイドライン』の作成に向け、臨床の場の看護職者に対し、抑制・身体拘束についての実態調査を行う。調査用紙の作成にあたっては、既存の倫理や抑制・身体拘束、抑制・身体拘束に関わる法的概拠等の文献検討、研究者間で討議を行う。その後、看護教員、エキスパートナースによって調査用紙の内容の妥当性を検討する。内容の精選、修正を加えたのち、調査用紙を作成する。 対象者は、ICU・CCU、救急部、NICU、内科病棟、子ども・老人・精神疾患をもつ患者を対象にした病棟に勤務している看護者である(回収中)。現在、統計ソフトSPSSにて、分析を行っている。 調査内容は、(1)抑制・身体拘束についてどのように考えているか、(2)抑制・身体拘束を行うかどうかの判断をどのようにしているか、(3)抑制・身体拘束における看護者の専門職者としての責任について、(4)抑制・身体拘束をせざるを得ない場合にどのように看護しているか(計画立案、説明、実践、評価)、(5)抑制を廃止していくにはどのような条件が整っている必要があるか等である。 2.ケア対象者の安全・安楽・尊厳を保証する抑制・身体拘束ケアガイドライン(案)の作成 ケアガイドライン開発過程として、ケア対象者の安全・安楽・尊厳を保証する抑制・身体拘束ケアガイドライン(案)の作成する。項目は以下の通りである。I.抑制・身体拘束が法的に容認される要件、II.倫理的判断を行う上での基本的な考え方、III.臨床的な視点からの検討、IV.判断能力のアセスメント、V.抑制\身体拘束を行う前の環境面の確認、VI.抑制・身体拘束を行う前の説明、VII.抑制・身体拘束中の個人的なケア計画の立案、VIII.人権を考慮したケアの実施、IX.抑制・身体拘束中、解除後の評価。添付資料として、抑制・身体拘束ケアガイドラインに関連する資料を作成した。 作成したケアガイドライン(案)を臨床で活用できる妥当な内容に発展させていくため、修士課程を卒業したエキスパートナースを対象に、ケアガイドライン(案)の活用を想定して専門的立場からの意見、臨床での活用可能性について評価してもらう。 以上の研究成果を次年度の研究で活用し、さらに発展させ、臨床判断と理論的判断を踏まえた看護ケアを支援する『ケア対象者の安全・安楽・尊厳を保証する抑制・身体拘束ケアガイドライン』の作成に行う。
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