2001 Fiscal Year Annual Research Report
レオ・オプティクスによる変形下・加熱過程での食品素材の構造力学的研究
Project/Area Number |
13308006
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
勝田 啓子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (50093555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉賀野 妙子 甲南女子大学, 文学部, 教授 (60186484)
和田 淑子 関東学院女子短期大学, 家政科, 教授 (90123207)
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Keywords | 力学物性 / レオ・オプティクス / 熱物性 / 膨化 / TLPA / 画像解析 / グルテン / 小麦デンプン |
Research Abstract |
食品の加熱過程での変化はほとんど物理現象の現れである。この物理変化を明らかにするためには、明確に定義された物理的パラメーターを求めることより基本的な物性を把握し、分子論的解析つまり素材の構造力学という面からの解釈をわねばならない。しかし食品は「不均一・多成分の非平衡な濃厚分散系」と定義すべきものであり、しかも成分の間には一般に加成性が成り立たない複雑な系である。そこで本研究では、食品の三大成分(タンパク質、デンプン、脂質)各々基本物性を、レオロジー的手法(動的粘弾性測定)による力学物性、熱物性(DSC)あるいは電気物性(誘電緩和)により把握し、顕微鏡(電子、偏光)観察やX線解析などによる材料化学的な手法により、素材の構造との関係を明らかにし、素材の構造力学という面から食品の基本物性を把握、整理することを試みる。そして、力学測定では、レオ・オプティックスを用いての変形下でのミクロな微細構造の変化の追跡を試みる。 本年度は、レオ・オプティックス装置に関し、最新知見の収集を行うと共に、現段階で作製に最も確実な技術力を持っているレオメトリック株式会社に調査に赴き、次年度開発に向けての打ち合わせを行った。一方、加熱過程でのマクロな形態変化の定量化のために市販オーブンを改良し、ビデオ撮影装置を組み合わせたTLPAシステムを構築し、試作オーブンを研究代表者勝田の研究室に、また試作型を元にしたTLPAシステム一式を分担者倉賀野の研究室に納入の手配を行い、タンパク質、デンプン、脂質の混合モデルとしてクッキーを取り上げ、画像解析による形態変化の定量化に成功した。そして、タンパク質〜デンプンの二成分混合モデルとして小麦粉を取り上げ、グルテンおよび小麦デンプン各々およびその混合系の力学物性および熱物性を明らかにした。
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