2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13308009
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
今村 峯雄 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 教授 (10011701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤尾 慎一郎 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助教授 (30190010)
西本 豊弘 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 教授 (70145580)
春成 秀樹 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 教授 (20032708)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (60270401)
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Keywords | 年代測定 / 高精度編年 / 弥生時代 / 縄文時代 / 弥生時代の開始 / 放射性炭素年代 / 国際情報交換 / 多国籍 |
Research Abstract |
平成14年度は、約200点の測定を行った。今回の測定により、縄紋草創期以降各段階の実年代が、おおむね整合的に把握された。 1.高精度炭素14年代の基礎研究:加速器質量分析法の考古学への応用に関する先端的課題を討議する国際ワークショップを国立歴史民俗博物館で開催し国外46名、国内8名が参加した。本研究の成果の一部を発表した。また、昨年開発導入した全自動前処理装置は測定作業の効率化に貢献している。 2.縄紋草創期〜前期の年代学的研究:縄紋時代草創期7点、早期4点の測定を行った。福井県鳥浜貝塚の連続した層位的試料では、草創期隆線文、爪形文、多縄紋、早期押型紋、前期羽島下層式、北白川下層Ib〜IIc式の各共伴土器と極めて整合的な年代値(炭素年代で11,000BP〜5,240BP)が得られた。次年度に、さらにデータを蓄積したい。 3.遺跡立地の動的過程の研究:特に、中期を中心に、前期22点、中期74点、後期39点の年代測定を行った。土器型式の地域間の平行関係を検証し、土器型式の細別時期ごとの実年代とその存続時間を推定できる高精度年代データを蓄積した。縄文後期から晩期についても多数のデータを蓄積し、土器大別時期別の暦年を推定可能なデータを得た。 4.縄文弥生移行期の年代学的研究:晩期25点、九州地方を中心に弥生時代17点、先史時代韓国・中国の試料13点を測定した。 特に新たな知見として、弥生時代の開始年代がこれまでに考えられているよりも500年近く遡ることがほぼ確定的になった。対比する韓国、東北地方縄紋晩期の年代観も、合わせて検討し、整合性があることが確認された。次年度にデータの一層の蓄積をはかり、弥生時代の新たな実年代像を列島規模で構築してゆきたい。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 小林謙一ほか: "AMS^<14>C年代による縄文中期土器・集落研究"日本考古学協会第68回総会研究発表要旨. 49-52 (2002)
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[Publications] 今村峯雄ほか: "AMS^<14>C年代を利用した東日本縄文前期〜中期土器・集落研究"日本文化財科学会第19回大会研究発表要旨集. 100-101 (2002)
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[Publications] 小林謙一ほか: "分谷地A遺跡出土土器の炭素年代測定結果について"分谷地A遺跡-縄文時代後期の漆器-(新潟県黒川村教育委員会). 33-37 (2002)
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[Publications] 小林謙一ほか: "向郷遺跡出土試料の炭素年代測定"立川市埋蔵文化財調査報告12向郷遺跡VI(多摩総合文化研究所). 88-92 (2002)
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[Publications] 小林謙一ほか: "第5章上安原遺跡出土土器の炭素年代測定"上安原遺跡I(金沢市文化財紀要192). 137-143 (2003)
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[Publications] 小林謙一ほか: "福島県楢葉町馬場前遺跡出土土器の炭素年代測定"福島県文化財調査報告書第398集常磐自動車道遺跡調査報告34(福島県文化振興事業団). (未定). (2003)
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[Publications] 小林謙一ほか: "福島県富岡町前山A遺跡出土土器の炭素年代測定"福島県文化財調査報告書第399集常磐自動車道遺跡調査報告35(福島県文化振興事業団). (未定). (2003)
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[Publications] 小林謙一ほか: "付章7福島県栗内遺跡出土炭化種子の炭素年代測定"福島県文化財調査報告書第406集福島空港・あぶくま南道路発掘調査報告14. 273-274 (2003)
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[Publications] 小林謙一ほか: "付編1福島県南倉沢・稲干場遺跡出土試料の炭素年代測定"福島県文化財調査報告書第409集一般国道289号南倉沢バイパス遺跡発掘調査報告1(福島県文化振興事業団). 135-144 (2003)
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[Publications] 小林謙一ほか: "第2節田端遺跡出土土器の炭素年代測定"町田市田端遺跡発掘調査報告書(町田市教育委員会). 147-149 (2003)
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[Publications] 小林謙一ほか: "南鍛冶山遺跡下の根地区出土土器の炭素年代測定"南鍛冶山遺跡発掘調査報告書-藤沢市都市計画事業北部第二(二地区)土地区画整理事業に伴う調査-(藤沢市教育委員会). 第10巻古代6・附編. 147-149 (2003)
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[Publications] Sakamoto, M.ほか: "An automatic AAA preparation system for AMS radiocarbon dating"Nuclear Instrument and Methods in Physical Research B. (未定). (2003)
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[Publications] 藤尾慎一郎ほか: "福岡市笠抜遺跡出土杭の年代学的調査"福岡市笠抜遺跡発掘調査報告書、福岡市埋蔵文化財調査報告書福岡市教育委員会. (印刷中). (2003)
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[Publications] 藤尾慎一郎ほか: "福岡市雀居遺跡出土土器に付着したススの年代学的調査"福岡市雀居遺跡発掘調査報告書、福岡市埋蔵文化財調査報告書福岡市教育委員会. (印刷中). (2003)
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[Publications] 藤尾慎一郎ほか: "佐賀県唐津市梅白遺跡出土資料の年代学的調査"梅白遺跡発掘調査報告書. (印刷中). (2003)
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[Publications] 藤尾慎一郎: "縄文論争"藤尾慎一郎. (2002)
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[Publications] 国立歴史民俗博物館(編): "弥生時代の実年代国立歴史民俗博物館国際研究集会(資料集)"国立歴史民俗博物館. 52 (2003)