2003 Fiscal Year Annual Research Report
照射誘起延性向上を活用したタングステンの照射脆化の改善
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13308022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗下 裕明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50112298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧田 朋広 (株)アライドテック, 研究員
平岡 裕 岡山理科大学, 理学研究科, 教授 (70228774)
湯蓋 邦雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00302208)
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Keywords | 分散粒子 / 結晶粒 / メカニカルアロイング / 中性子照射 / 機械的性質 / 再結晶温度 / 組織制御 |
Research Abstract |
タングステン(W)の照射脆化を改善するためには、微細結晶粒・遷移金属炭化物ナノ粒子分散組織を導入することが有効であり、この組織制御で特に重要となるのが分散粒子の制御である。すなわち、分散粒子の性状、数密度、分布、サイズを目標のレベルに制御することが必要であるが、これまで用いてきた製造方法(遊星型ボールミルによるメカニカルアロイング、真空ホットプレスとHIPによる焼結)では組織制御に限界があることが示された。そこで本年度は、まず、その限界を克服するために装置(3軸加振型ボールミル装置・TZM製の容器とボール)と焼結方法を開発して新しい組織制御法を考案し、その有効性を確認した。次に、その方法により、分散粒子がTiCとMo_2Cで、その直径が10〜15nmの狭い範囲に分布し、かつ粒子の分散状態がかなり均一であるW-0.3%TiC-(0.7-1.7)%Mo合金を試作した。結晶粒径は0.5〜1.3μmの範囲に分布していた。また、これらの相対密度は99%〜99.6%に達しており、塑性加工(熱間鍛造と熱間圧延)により十分な加工率を得ることができた。以上により、目標とする組織制御法が確立したと考えられたので、試作材についてまず照射前の機械的特性と再結晶特性の評価を行った。室温での3点曲げ試験により焼結まま材では延性がほとんど認められなかったが、圧延材ではかなりの延性が見出された。また、その圧延の効果は結晶粒が微細になるほど顕著になった。一方、その再結晶温度は2000〜2200Kであり、再結晶温度はTiC濃度の増加によりさらに改善可能である。現在、これらの試作材を原子炉に装荷して中性子照射実験を行うとともに、TiC濃度が高く、結晶粒径が0.2〜0.3μmと超微細なW-0.5%TiC-(1.0-1.7)%Mo合金を試作して、その特性評価を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Ishijima, H.Kurishita, K.Yubuta, H.Arakawa, M.Hasegawa, Y.Hiraoka, T.Takida: "Current Status of Ductile Tungsten Alloy Development by Mechanical Alloying"J.Nucl.Mater.. (2004)
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[Publications] T.Takida, H.Kurishita, M.Mabuchi, T.Igarashi, Y.Doi, T.Nagae: "Mechanical Properties of Fine-Grained, Sintered Molybdenum Alloys with Dispersed Particles Developed by Mechanical Alloying"Mater.Trans.. 45・1. 138-145 (2004)
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[Publications] J-F.Li, M.Kawai, K.Kikuchi, T.Igarashi, H.Kurishita, R.Watanabe, A.Kawasaki: "Strength Proof Evaluation of Diffusion-joined W/Ta Interface by Small Punch Test"J.Nucl.Mater.. 321. 129-134 (2003)
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[Publications] M.Kawai, M.Furusaka, K.Kikuchi, H.Kurishita, R.Watanabe, J-F.Li, et al.: "R&D of A MW-Class Solid-Target for s Spallation Neutron Source"J.Nucl.Mater.. 318. 38-55 (2003)