2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペブルダイバータにおける被覆粒子によるヘリウム及び水素吸蔵・放出特性
Project/Area Number |
13308024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 雅弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 良夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30193816)
大塚 裕介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70294048)
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Keywords | ペブルダイバータ / プレシース / ECR放電 / ラングミュアプローブ |
Research Abstract |
ペブルダイバータにおける水素・ヘリウムの吸蔵特性評価のためには、ペブルに流入するプラズマイオンの粒子負荷と熱負荷の評価が重要である。しかしながら、プラズマ中にペブルを流入させるとそのペブルによってプラズマの密度分布や温度分布が乱され、それがペブルへの負荷に影響する。従って、プラズマ中に固体が存在するときの周辺のプラズマ特性を理解するためのモデルの構築が重要である。昨年度までに、プラズマ中にペブルを模擬した円板を挿入した場合のプラズマへの影響をシミュレーションできるモデルを構築し、プラズマに流れがある時にプラズマが流入する面とその裏面で熱負荷に大きな違いがあることが示された。しかしながら、このモデルの妥当性を検証するためには、実際のプラズマにおいてペブル模擬体を挿入してプラズマに与える影響を評価するベンチマーク実験が必要である。 そこで、本年度はECRプラズマ源を利用したベンチマーク実験を行った。プラズマ生成には2.45GHzのマイクロ波を用い、ECR放電で生成した水素プラズマを磁力線に沿って拡散させて定常磁場(100〜500G)中に導き、このプラズマ中にペブル模擬体として、半径2cmと5cmの円板を置いてプラズマに与える影響を調べた。プラズマの密度、温度、電位はラングミュアプローブを用いて2次元的(径方向、磁力線方向)に調べた。その結果、円板の全面と背面に円板によって作られたプレシース構造が確認された。シミュレーションモデルとの対応については、放電ガス圧が10mTorrでは比較的良い一致を見たが、放電ガス圧が3mTorrと低い場合には、円板の背面の密度が全面より上昇するという現象が見られた。これの原因として、低ガス圧ではマイクロ波が定常磁場領域まで大きく減衰せずに伝播し、円板背面でプラズマを生成したことが考えられる。
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