2002 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体における同位体効果の発現とその同位体分離プロセスへの応用
Project/Area Number |
13308026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 一良 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎田 洋一 名古屋大学, 環境量子リサイクル研究センター, 教授 (40168795)
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Keywords | 超臨界流体 / 同位体 / 同位体分離 / 同位体効果 / リチウム / 環状化合物 / 平衡分離係数 / クリプタンド |
Research Abstract |
1.超臨界二酸化炭素置換クロマトグラフィーによるLi同位体分離における圧力効果の検討 昨年度の研究で超臨界流体中での大きな同位体効果が観測されたクリプタンド(2B,2,1)を固定相とし,超臨界二酸化炭素にメタノールを添加して塩化チウムを溶解させた流体を移動相とする系について,ブレークスルー方式によるクロマトグラフィー実験を行うことにより減圧して得られる溶出液中のLiの同位体比を誘導結合プラズマ質量分析計で測定した.溶出曲線におけるLi濃度とLi同位体比より,平衡分離係数と理論段相当高さを解析により算出し,圧力によって変化する溶媒和効果との相関を試みた.得られた平衡分離係数は,一例としては,10MPaの場合に1.025±0・009であり,理論段相当高さは約10mmであった.平衡分離係数については,超臨界二酸化炭素を用いずメタノール溶媒だけを用いた実験結果は1.040であったので,溶媒和効果の影響があり,圧力を変えることで平衡分離係数を制御できることがわかった.また,圧力を高めた場合には,樹脂に対する吸着量が大きくなる傾向があり,理論段相当高さを小さくできることがわかった.海外共同研究者である米国アイダホ大学C.M.Wai教授が3ヶ月間名古屋大学に滞在して共同して研究を行った. 2.超臨界炭素置換クロマトグラフィーによるLi同位体分離条件の最適化 上記項目をうまく説明する粒内拡散係数およびカラム内流動の効果を表す分散係数を推算するため,拡散移流方程式に基づく物質移動解析モデルを作成した.これを計算コード化することにより,Li同位体分離条件の最適化を試み,最適化手法の構築を行った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Watanabe, Y.Enokida, O.Tomioka, I.Yamamoto: "Supercritical Fluid Chromatography using Cryptand (2B, 2, 1) Resin for Lithium Isotope Separation"Proceedings of the 1st International Symposium on Supercritical Fluid Technology for Energy and Environment Applications. 1. 280-282 (2002)
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[Publications] 渡辺武志, 富岡修, 榎田洋一, 山本一良: "超臨界クロマトグラフィーLi同位体分離における移動相の組成が分離に与える影響"Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences. 3・Supp.. 45 (2002)