2003 Fiscal Year Annual Research Report
イオン共役型回転べん毛モーターにおけるエネルギー変換蛋白質の構造機能解析
Project/Area Number |
13308038
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本間 道夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薬師 寿治 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324388)
川岸 郁朗 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80234037)
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Keywords | イオンチャネル / エネルギー変換 / ビブリオ菌 / べん毛 / モーター / ナトリウム駆動力 |
Research Abstract |
細菌のべん毛モーターはイオンの流入を回転力に変換する分子機械であり、その共役イオンによってH^+駆動型とNa^+駆動型とに分けられる。H^+駆動型モーターでは、PomAの相同因子MotAの荷電アミノ酸残基R90/E98と、回転子構成因子FliGの荷電残基間での静電的相互作用がトルク発生に関与しているというモデルが提唱されている。一方、ビブリオ菌のPomAではべん毛の回転力発生にこれらの荷電アミノ酸残基が必須でないことを明らかにしていた。今回新たに、PomAの荷電アミノ酸残基を中性化する変異(R88A/K89A/E96Q/E97Q/E99Q:AAQQQ)と,L131FもしくはT132M変異を導入することにより、その機能が温度感受性になることが判明した。モータータンパク質の温度感受性変異体は報告の前例がない。許容温度(20℃)で野性株並みに機能するts-PomAは,非許容温度(42℃)にさらされると1分以内に機能を失ったが,再び20℃に戻すと10分ほどでその機能を回復した。また、ts-PomAとPomBをプラスミド上から共発現させると、遊泳能の回復にかかる時間が1分ほどに短縮された。そこでts-PomAとPomB相互作用を調べたところ、ts-PomAでは非許容温度においてもWT-PomAと同等の相互作用が確認された。この結果から、温度感受性変異体はPomAとPomBの相互作用の変化によるものではなく、PomA/PomB複合体のべん毛への組込、または、FliGとの相互作用が温度による影響を受けたためとの可能性が考えられる。そこで、温度感受性の変異部位を同定すべく抑圧変異を単離したところ、PomAの細胞質領域の両端につながる膜貫通領域(TM2とTM3)の近傍領域に変異がマップされ、これまでモーター機能を考える上で重視されてこなかったこれらの領域の重要性を始めて示唆した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yakushi, T., Kojima, M., Homma, M.: "Isolation of Vibrio alginolyticus sodium-driven flagellar motor complex composed of PomA and PomB solubilized by sucrose monocaprate"Microbiology. 150. 911-920 (2004)
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[Publications] Yorimitsu, T., Kojima, M., Yakukshi, T., Homma, M.: "Multimeric structure of the PomA/PomB channel complex in the Na^+-driven flagellar motor of Vibrio alginolyticus"J.Biochem.(Tokyo). 135. 43-51 (2003)
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[Publications] Yorimitsu, T., Mimaki, A., Yakushi, T., Homma, M.: "The conserved charged residues of the C-terminal region of FliG, a rotor component of Na^+-driven flagellar motor"J.Mol.Biol.. 334. 567-583 (2003)
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[Publications] Sowa, Y., Hotta, H., Homma, M., Ishijima, A.: "Torque-speed relationship of the Na^+-driven flagellar motor of Vibrio alginolyticus"J.Mol.Biol.. 327. 1043-1051 (2003)