2001 Fiscal Year Annual Research Report
病原性・非病原性SHIVの体内増殖部位と組織病理の比較-HIVの体内プールの検出
Project/Area Number |
13308049
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊吹 謙太郎 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00273524)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40202337)
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
|
Keywords | SHIV / サル個体レベルの病態 / 病理組織学的解析 / AIDS発症・非発症 / 体内増殖部位 |
Research Abstract |
ウイルス接種後半年〜1年でアカゲザルにAIDS発症させる病原性SHIVであるSHIV89.6Pと接種後3年を経てもAIDSを引き起こさない非病原性SHIVであるSHIVNM-3rNをアカゲザルに静脈内接種し、各々のウイルスのサル体内での増殖部位およびその病態を比較解析した。 病原性SHIV89.6P感染ザルでは、感染後2週以内に末梢血中のCD4陽性細胞が枯渇し、血漿ウイルスRNA量も2週目にピーク(>10^9copies/ml)となり、その後10^6copieS/ml前後のセットポイントを維持した。特徴的な病変として、胸腺で感染後2週以内で髄質細胞を中心にウイルス産生細胞強陽性所見が得られ、4週では胸腺組織の崩壊と末梢リンパ節における傍皮質領域での細胞の枯渇へと進行した。同様のウイルスロードを示すサル免疫不全ウイルス(SIV)ではこのようなsevereな病変は認められない。これらはSHIV89.6P感染に特異な所見であり、病態への関与が示唆された。一方、SHIVNM-3rN感染ザルでは、末梢血中のCD_4陽性細胞数に大きな変化はなく、血漿ウイルスRNA量も2〜4週の間にピーク(<10^7copies/ml)となるが、その後検出限界以下となった。リンパ組織の組織病理所見では感染後2〜3ヶ月までにfollicular hyperplasiaなどリンパ装置の活性化を示唆する所見がみられる程度であった。また、各SHIV感染ザルのリンパ系臓器でのプロウイルスDNA量を測定したところ、SHIV89.6P感染ザルでは2週目で胸腺、脾臓、腸管リンパ節のいずれも高値(10^4-10^6cOpies/μg)を示したが、SHIVNM-3rN感染ザルでは2週目ではほとんど検出限界以下であった。以上のことから、この2種のSHIVの感染初期における臓器指向性と増殖力が病態に反映していると考えられた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kwofie T.B., Miura T., Ibuki K., Enose Y., Hayami M., et al.: "Characterization of simian and human immunodeficiency chimeric viruses re-isolated from vaccinated macuque monkeys after challenge in fection"Arch. Virol.. (in press). (2002)
-
[Publications] Iida T, Kita M, Miura T, Ibuki K, Hayami M. et al.: "Apoptosis induced by in vitro infection with simian-human immunodeficiency chimeric virus in macaque and human peripheral blood mononuclear cells"AIDS Res. Hum. Retroviruses. 17(15). 1387-1393 (2001)
-
[Publications] Takehisa J., Ibuki K., Shimada T., Miura T., Hayami M., et al.: "Natural infection of wild-born mandrills(Mandrillus sphinx) with two different types of simian immunodeficiency virus"AIDS Res. Hum. Retroviruses. 17(12). 1143-1154 (2001)
-
[Publications] Kozyrev I.L, Ibuki K., Shimada T, Miura T., Hayami M.et al.: "Characterization of less pathogenic infectious molecular clones derived from ad pathogenic SHIV-89.6p stock virus"Virology. 282(1). 6-13 (2001)