2003 Fiscal Year Annual Research Report
病原性・非病原性SHIVの体内増殖部位と組織病理の比較-HIVの体内プールの検出
Project/Area Number |
13308049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊吹 謙太郎 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00273524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40202337)
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
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Keywords | SHIV / 粘膜感染 / 粘膜免疫 / γδT細胞 / NK活性 |
Research Abstract |
本研究では病原性、非病原性SHIVの感染後の体内定着・増殖部位と組織病理学的変化を比較解析し、そこからその病態形成の違いが何に起因しているものなのかを明らかにすることを目的としている。今年度は、経直腸感染で病原性を示すSHIVクローンであるSHIV(C2/1)とアカゲザルの系を用い、経直腸感染後3、6、13、27日目におけるウイルス増殖部位の同定およびその増殖に対する宿主免疫応答の検討を行った。ウイルス感染後、3日目で既に感染局所である直腸および胸腺や腋窩リンパ節でプロウイルスが検出され、6日目には血漿中ウイルスRNAも検出された。このことから、感染後3日以内にウイルスは既に全身に回り増殖を始めている事が確認された。一方、体内に存在するCD4陽性T細胞は3日目で一過性に増加するが、その後徐々に減少し、末梢血では13日目には感染前の50%以下にまで減少する事がわかった。ウイルス接種部位である腸管では、CD4陽性T細胞の減少は末梢血と比べ、遅れて起こり、空腸iELにおけるCD4陽性T細胞数の減少、特にCD4CD8共陽性T細胞の減少が顕著に認められた。また、腸管組織内に存在するγδT細胞は、感染後6日目に一過的に増加することがわかった。さらに各個体から得られたリンパ球のNK活性を調べたところ、末梢血やリンパ節では全般に低くウイルス感染前後で特に変動は見られなかったのに対し、空・回腸のiELおよびLPLでは非常に高い活性があることがわかった。このことから、ウイルスの経直腸感染初期において、獲得免疫の成熟前にNK等の自然免疫系が一次防衛に働いていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshimura K, Ido E, Akiyama H, Hayami M, Matsushita S., et al.: "The Impact of highly active antiretroviral therapy by the oral route on the CD8 subset in monkeys infected chronically with SHIV 89.6P"J.Virol.Methods.. 112(1-2). 121-128 (2003)
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[Publications] Akiyama H, Ido E, Kuwata T, Miura T, Hayami M. et al.: "Construction and in vivo infection of a new simian/human immunodeficiency virus chimera containing the reverse transcriptase gene and the 3' half of the genomic region of human immunodeficiency virus type 1"J.Gen.Virol.. 84(Pt7). 1663-1669 (2003)
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[Publications] Haga T, Kuwata T, Kozyrev IL, Hayami M., Miura T. et al.: "Characterization of vpr vector constructed from chimeric simian and human immunodeficiency virus"J.Vet.Med.Sci.. 65(5). 633-636 (2003)