2002 Fiscal Year Annual Research Report
セマフォリンとその受容体による神経回路形成の制御の研究
Project/Area Number |
13309008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤沢 肇 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60079689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 新 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90171420)
須藤 文和 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40345848)
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Keywords | 神経回路 / 発生 / 神経軸索ガイダンス / セマフォリン / ニューロピリン / プレキシン / マウス / 線虫 |
Research Abstract |
個体発生の過程で多様でかつ恒常的な神経回路を産み出す分子機構を明らかにすることを目的として、神経軸索ガイド分子セマフォリン(Semaphorin)とその受容体であるニューロピリン(Neuropilin)とプレキシン(Plexin)遺伝子機能を欠損した動物を系統的に作製し、その表現型の解析を行い、以下の成果を得た。 1、Neuropilin-1/Neuropilin-2ダブルノックアウトマウスを作製し、この変異マウス胚では脊髄神経節、交感神経節の節形成が大幅に低下することを明らかにした。この結果は、Neuropilin-1ならびに Neuropilin-2を介したclass 3 Semaphorinのシグナルが神経細胞の移動と集積に関与することを示している。 2、PlexinA2ノックアウトマウスを作製し、その表現型の解析を行った。その結果、この変異マウスでは末梢神経系に全く異常がないが、小脳顆粒細胞の位置異常があることが判明した。 3、PlexinA4ノックアウトマウスを作製し、その表現型の解析を行った。この変異マウス胚では抹消神経線維の走行が乱れるが、これ以外に、海馬神経回路や前交連の形成に異常があることが判明した。 これら2点の結果は、プレキシンを介したセマフォリンシグナルが中枢神経回路の形成と細胞移動の制御に関与することを示している。 4、線虫のPlexin変異株の解析を行い、上皮細胞由来の陰門の形成に異常があることが判明し、線虫ではプレキンンを介したセマフォリンシグナルが上皮細胞の移動と配列を制御することが明らかとなった。さらに、線虫Plexinの下流で機能する可能性がある遺伝子の検索を行い、複数の候補遺伝子の分離に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takahiko Kawasaki: "Requirement of neuropilin-1-mediated Sema3A signals in patterning of the sympathetic nervous system"Development. 129. 671-680 (2002)
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[Publications] Takashi Fujii: "C. elegans plexinA, PLX-1, interacts with transmembrane semaphorins and regulates epidermal morphogenesis"Development. 129. 2053-2063 (2002)
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[Publications] Seiji Takashima: "Targeting of both mouse neuropilin-1 and neuropilin-2 genes severely impairs developmental yolk sac and embryonic angiogenesis"Proc Nat Acad Sci USA. 99. 3657-3662 (2002)
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[Publications] Christiana Ruhrberg: "Spatially-restricted patterning cues provided by heparin-binding VEGF-A control blood vessel branching morphogenesis"Genes & Dev. 16. 2684-2698 (2002)
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[Publications] Tomoyuki Masuda: "Differential non-target-derived repulsive signals play a critical role in shaping initial axonal growth of dorsal root ganglion neurons"Dev Biol. 254. 289-302 (2003)
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[Publications] Fumikazu Suto: "Identification and characterization of a novel mouse plexin, plexin-A4"Mech Dev. 120. 385-396 (2003)